苫米地英俊

苫米地 英俊について

苫米地英俊（とまべち ひでとし）は、1884年12月1日に福井県大野市に生まれ、日本の言語学者、国際法学者、政治家としての多彩な経歴を持っています。彼は1966年5月5日に亡くなるまで、教育界と政治界でそれぞれの影響を与え続けました。

学歴と柔道

苫米地は長野県長野市に移り住んだ後、旧制長野中学を卒業しました。1904年には東京外国語学校英語科に進学し、その学生生活の中で柔道にも情熱を注ぎ、講道館での修行を始めました。彼は同校在学中に全日本学生柔道大会で優勝し、嘉納治五郎の指導のもとで柔道の指導者としても活躍しました。

留学と教育活動

彼は1907年に東京外国語学校を卒業し、商業英語や国際法の研究のために文部省派遣でイギリスとアメリカに留学しました。帰国後は東京外国語学校や小樽高等商業学校で講師として教鞭をとり、1916年には小樽高等商業学校の教授に就任。その後、同校の図書館主幹や校長を歴任し、教育界での地位を固めました。

政治キャリア

1946年には衆議院議員に当選し、その後4期にわたり議席を守り続けました。また、農林省政務次官や民主自由党の役職を歴任し、政治においても高い評価を受けました。1947年には講道館の理事としても活躍し、教育と武道の発展に貢献しました。

高等教育機関での功績

1948年には札幌文科専門学院の教授に就任し、その後院の学院長も務めました。1950年からは札幌短期大学の初代学長となり、1953年までその一翼を担いました。また、1953年には北海道自動車短期大学の初代学長にも就任し、1966年まで続けることになります。

最後の年と受章

1956年には参議院議員に当選します。その後も多くの委員会の理事や役職を歴任し、政治的な影響力を維持し続けました。1964年には秋の叙勲で勲二等旭日重光章を受章し、1986年に81歳で亡くなりました。彼の死去をもって銀杯一組を賜るなど、多くの功績が評価されました。

彼の著作

苫米地はその学識を生かして、様々な著作を残しました。主な著書には『商業英語通信軌範』や『国際貿易話法』があり、商業英語教育に寄与するための教科書『英語商業文教科書』も著しています。これらの著作は、多くの商業学校で利用され続けています。

家族

英俊の家族も広く知られています。妻の苫米地千代子は佐久間信恭の娘であり、長男の苫米地俊博は元三菱商事副社長などの要職を歴任しました。四男の苫米地和夫も経済界で影響を持ち、孫の苫米地英人は認知心理学者として活躍しています。

苫米地英俊の生涯は、教育と政治、武道のすべてにわたる彼の多才な側面を示しており、現在においてもその業績は高く評価されています。

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