英国核燃料会社

英国核燃料（BNFL）の概要

英国核燃料（British Nuclear Fuels Limited、略称BNFL）は、イギリス政府が所有していた企業で、1971年に設立されました。この企業は、核燃料の生産、輸送、原子炉の運営、発電および売電、使用済み燃料の管理や再処理、さらには原子力施設の廃止措置や原子炉廃炉を担当し、イギリスの原子力産業において非常に重要な役割を果たしていました。主な本社は2003年までウォリントン近郊のリズリーにあり、その後デアズベリー公園工業団地へと移転しました。

組織と再編

2005年4月1日、BNFLは新たに英国原子力グループを形成し、その後の再編を開始しました。この際、BNFLが保有していた原子力施設の大部分は原子力廃止措置機関（NDA）に移譲されることとなり、同年にはBNFLの主要子会社であるウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニーが東芝に売却されました。最終的に、2009年5月にはBNFLの全資産の売却が完了し、その企業としての役割が終わりました。

歴史の背景

BNFLは、1971年2月に設立され、その後1984年に完全な政府所有の公開有限責任会社となりました。社長クリストファー・ハーディングの下で、ウィンズケール工場の名称がセラフィールドに変更され、一般市民向けのビジターセンターも設立されました。1990年には米国での原子炉除染事業に特化した子会社（BNFL Inc.）も設立され、国際的な展開も図られました。

1996年にはイギリス国内の複数の原子力発電所が民営化され、その後BNFLは旧型のマグノックス炉に特化した運営に注力することとなりました。こうした中で、1999年にはMOX燃料の品質改ざん問題が発覚し、法人の信用に大きな影響を与えました。この事件は、当時のCEOの辞任を促し、BNFLの民営化計画にも遅れをもたらしました。

収益の多様化と売却

1999年には、商業用原子力部門を持つウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニーを取得し、これによりBNFLの事業は大幅に拡充されました。2000年には原子力事業を他社から買収し、さらに研究開発部門も新たに立ち上げるなど、事業の多角化が進められました。

しかし、再編を経た2005年以降、事業売却と再編成が進む中で、BNFLはその経営基盤を徐々に縮小していくことになりました。特にウェスチングハウスの売却が進むにつれ、BNFLは本体事業から段階的に離れていくこととなりました。

2006年に入ると、BNFLの解体に向けた連続した売却が発表され、最終的に全資産の売却が2009年に完了し、BNFLは法人としての役割を終えました。

結論

BNFLは、設立以来40年以上にわたり、イギリスの原子力産業を支え続けた企業でしたが、品質問題や経営上の課題などが影響し、最終的には法人としての役割を終えることになりました。今後、原子力産業がどのように進化していくかは注目されますが、BNFLの歴史はその発展の一部として記憶されることでしょう。

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