英連邦戦死者墓地 (横浜市)

英連邦戦死者墓地 (Yokohama War Cemetery)

英連邦戦死者墓地は、神奈川県横浜市保土ケ谷区に位置し、イギリス連邦諸国の戦死者を追悼するために設けられた専用の墓地です。この場所は、1946年に設立が始まり、約3ヘクタールの敷地内には、イギリスをはじめとするさまざまな国の戦没者の墓碑があります。

歴史的背景

第一次世界大戦以降、イギリス連邦の国々は戦死した軍人のために様々な場所に集団墓地や記念碑を設けてきました。これらの管理はコモンウェルス戦争墓地委員会が行っており、日本を含む多くの国に戦死者の墓地が存在しています。特に第二次世界大戦後、日本国内でも多くの戦死者を追悼する場が必要とされ、英連邦戦死者墓地が設置されました。

墓地の設置

横浜市の保土ヶ谷区に位置するこの墓地は、もともと保土ヶ谷児童遊園地や保土ヶ谷錬成場があった場所で、戦後に接収されて現在の形に整えられました。ここには、イギリスの軍人1,013基、オーストラリアの278基など、合計で1,518基の墓碑が建立されています。

1952年にサンフランシスコ講和条約が発効したことで、英連邦占領軍による占領は解かれましたが、連邦側の方針に基づいて、1955年には日本国とイギリス連邦諸国間で墓地に関する協定が結ばれました。これによって、英連邦戦死者墓地の今後の管理と維持が正式に確認されました。

日本政府は、英連邦戦死者墓地委員会に対し無償での土地利用を許可し、さらに税金の免除も行われています。また、必要な維持・修復物品の輸入も無税で行えるため、円滑な管理が可能となっています。

墓地の構造

この墓地は、イギリス、オーストラリア、カナダ・ニュージーランド、インド・パキスタン、戦後といった区分に分かれています。戦後区には、捕虜や占領軍として任務中に亡くなった人々の墓も含まれています。2014年の時点で、約1,800名の戦死者がこの墓地に埋葬されています。また、英連邦に加盟していない国々の軍人もわずかに埋葬されています。

追悼行事

毎年4月25日のアンザック・デーには追悼式典が行われ、英連邦諸国とその関係者が集まります。さらに、重要な国際的要人が来日する際には、墓地が訪問されることもあります。1975年にはエリザベス2世が、1995年にはダイアナ元妃が、そして2015年にはウィリアム王子がこの場所を訪れるなど、英連邦戦死者墓地は歴史的な名所としての役割も果たしています。

結論

英連邦戦死者墓地は、戦争の悲しみを忘れさせないための大切な場所です。この場所での追悼行事は、未来への教訓として平和の大切さを再認識する機会ともなります。英連邦戦死者たちの歴史がここに刻まれていることを、訪れる人々は心に留める必要があります。

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