范廷鈺

范廷鈺（ファン・ティンユ）

范廷鈺（はん ていぎょく、范廷钰、ファン・ティンユ、1996年8月6日 - ）は、中国の上海市出身の囲碁棋士です。中国囲棋協会に所属し、曹大元の門下として九段の地位にあります。その実力は、新人王戦での最年少優勝（13歳）と3連覇、そして権威ある応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦での優勝によって広く知られています。

穏健で着実な棋風から「少年石仏」という異名を持ち、范蘊若、羋昱廷と共に、上海棋界の「二飯一米」と称されることもあります。

経歴

4歳で囲碁を始めた范廷鈺は、2004年に劉軼一に師事し、囲碁の基礎を築きました。2007年には北京の聶衛平道場に入門し、曹大元の指導を受けることになります。2008年に初段となり、プロ棋士としてのキャリアをスタートさせました。

2009年には、乙級リーグに山東齊魯棋院のチームの一員として出場。全国智力運動会では山東省チーム代表として青少年個人戦で3位入賞を果たし、二段に昇段しました。2010年には、新人王戦で優勝。リコー杯新秀戦でも準優勝という成績を収め、三段に昇段しました。

2011年には、新人王戦で2連覇を達成。第2回全国智力運動会では、山東省チームの一員として男子団体戦と男子個人戦の両方で優勝しました。この年、54勝20敗という素晴らしい成績を収め、勝率1位を記録しました。

2012年には、リコー杯囲棋戦でベスト8に進出。BCカード杯世界囲碁選手権、百霊杯世界囲棋オープン戦にも出場し、国際棋戦への挑戦を開始しました。

2013年、范廷鈺は応昌期杯で決勝に進出し、朴廷桓を3-1で破り、世界戦初優勝を飾りました。この勝利により、中国棋士の世界戦優勝最年少記録（16歳）を樹立し、九段に昇段、最年少九段となりました。2014年には、衢州・爛柯杯で優勝を果たしました。

2016年には、農心杯戦に中国チームの先鋒として出場し、新記録となる7人抜きを達成。2018年にも再び7人抜きを達成し、その実力を改めて示しました。2018年にはCCTV杯でも優勝。2023年には西南棋王戦で優勝しています。

中国囲棋甲級リーグでは、2010年に山東景芝酒業チームで出場し、12勝5敗の成績で新秀賞を受賞。2011年には愛慕先生チームの主将として14勝6敗の成績を収め、最優秀主将賞を受賞し、賞金6万元を獲得しました。

中国棋士ランキングでは、2011年に24位、2013年に8位、2018年(5、9月)には4位、2022年6-8月には2位を記録しています。

タイトル歴

国際棋戦

応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦 (2013年)
蘇州新城石湖公館王中王争覇戦 (2013年)

国内棋戦

新人王戦 (2010-12年)
全国智力運動会男子個人戦 (2011年)
衢州・爛柯杯中国囲棋冠軍戦 (2014年)
浙江平湖・当湖十局杯CCTV電視快棋戦 (2018年)
威孚房開杯棋王戦 (2019年)
阿含・桐山杯中国囲棋快棋公開戦 (2019年)
* 西南棋王戦 (2023年)

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