羋昱廷

羋昱廷（び いくてい）

羋昱廷（Mǐ Yùtíng、1996年1月8日生まれ）は、中国・江蘇省出身の囲碁棋士です。中国囲棋協会に所属し、九段の段位を有しています。その卓越した実力で、数々の国内・国際棋戦で輝かしい成績を収めています。

プロ入りと躍進

4歳で囲碁を始めた羋昱廷は、幼少期からその才能を発揮し、2002年には全国育苗杯幼児戦で優勝を果たしました。2006年には北京の馬暁春囲棋道場に入門し、囲碁の腕を磨きました。2007年には11歳という若さでプロ初段となり、2008年には世界青少年囲碁選手権大会青年組で準優勝するなど、早くからその才能を示しました。

その後、2009年にリコー杯新秀戦で優勝し二段に昇段、同年の全国智力運動会青少年個人戦でも優勝。2010年には徐州市鋳本杯名人戦で優勝し、三段に昇段しました。2011年には新人王戦でベスト4に進出し、甲級リーグでは大連チームで最多勝を獲得するなど、その実力を急速に伸ばしました。

世界戦初制覇

2012年にはBCカード杯と春蘭杯でベスト16に進出し、世界戦での活躍も期待されるようになりました。そして2013年、第1回Mlily夢百合杯において、李世乭や孔傑といった強豪を破り、決勝では古力を3-1で下し、見事世界戦初優勝を飾りました。この勝利により、九段に昇段し、中国を代表する棋士としての地位を確立しました。

国内外での活躍

2016年には竜星戦、衢州・爛柯杯、CCTV杯と立て続けに優勝し、国内棋戦でも圧倒的な強さを見せつけました。2018年には世界電王戦でDeepZenGoに勝利、同年には名人戦で連笑を破りタイトルを獲得、倡棋杯でも優勝を飾るなど、まさに羋昱廷の年となりました。2019年には名人戦で許嘉陽の挑戦を退け2連覇を達成、その強さを揺るぎないものとしました。2021年にはMlily夢百合杯で2度目の優勝を果たし、国際棋戦での強さも証明しました。また、2022-23年には天元戦で2連覇を達成し、2023年には名人戦で柯潔を破り3連覇を成し遂げました。

中国棋士ランキングでは、2011年に42位だったのが、2018年9月には1位に輝くなど、ランキングの上昇からも、その活躍がうかがえます。

主なタイトル歴

国際棋戦
Mlily夢百合杯世界囲碁オープン戦（2013年、2021年）
金立智能手机杯海峡両岸囲棋冠軍争覇戦（2014年）
利民杯世界[[囲碁星鋭最強戦]]（2016年）
日中竜星戦（2017年）
国内棋戦
リコー杯新秀戦（2009年）
全国智力運動会 青少年個人戦（2009年、2011年）、男子快棋戦（2015年）
全国囲棋個人戦（2012年）
竜星戦（2016年）
衢州・爛柯杯中国囲棋冠軍戦（2016年）
象嶼杯中国CCTV快棋戦（2016年）
西南王戦（2018年、2020年）
名人戦（2018年、2019年、2023年）
倡棋杯中国プロ囲棋選手権戦（2018年）
威孚房開杯棋王戦（2022年）
中国囲棋天元戦（2022-23年）

その他の棋歴

数々の棋戦で上位入賞を果たしており、その実力は疑う余地もありません。以下に主なものを挙げます。

国際棋戦
LG杯世界棋王戦 ベスト4（2021年、2023年）、ベスト8（2022年）
春蘭杯世界囲碁選手権戦 ベスト8（2014年）、ベスト16（2012年）
Mlily夢百合杯世界囲碁オープン戦 ベスト8（2023年）
BCカード杯世界囲碁選手権 ベスト16（2012年）
招商地産杯中韓囲棋団体対抗戦（2014年）
スポーツアコードワールドマインドゲームズ 男子団体戦優勝・男女ペア戦優勝（2014年）
アジア競技大会 男子団体戦準優勝（2022年）
農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦（2015年、2020年、2021-22年）
バッカス杯韓・中未来天元戦（2015年）
国手山脈杯国際囲棋戦 団体対抗戦（2015年）
ワールド碁チャンピオンシップ 2位（2017年）
日中韓ペア碁名人選手権 優勝（2018年）
世界マスターズ選手権戦 男子団体戦優勝（2019年）
KB国民銀行杯韓中囲碁リーグ優勝対抗戦（2019年）
国内棋戦
蘇州新城石湖公館杯王中王囲棋争覇戦 準優勝（2013年）
中国囲棋天元戦 挑戦者（2015年）
白雲杯中国冠軍争覇戦 準優勝（2015年）
威孚房開杯棋王戦 準優勝（2016年、2019年）
名人戦 挑戦者（2017年）
西南王戦 準優勝（2021年）
竜星戦 準優勝（2021年）
湾区杯中国囲棋大棋士戦 挑戦者（2022年）
倡棋杯中国プロ囲棋選手権戦 準優勝（2023年）
中国紹興（嵊州）王中王囲棋争覇戦 3位（2022年）
全国智力運動会（2015年、2019年、2023年）
中華人民共和国全国運動会（2021年）
嶺峰夢想フォード・エベレスト囲棋ラリー戦 準優勝（2018年）

中国囲棋甲級リーグ戦

2009年から2023年にかけて中国囲棋甲級リーグ戦にも継続して参戦しており、長年にわたりチームの中心選手として活躍しています。2011年、2014年には最多勝利賞を獲得するなど、その実力はチームの勝利に大きく貢献しています。

まとめ

羋昱廷は、その若さにもかかわらず、卓越した才能と努力で中国囲碁界を代表する棋士の一人となりました。数々のタイトル獲得に加え、国際棋戦での活躍も目覚ましく、今後の更なる活躍が期待されています。その実力と実績は、中国囲碁界の未来を担う存在として、これからも注目を集めることでしょう。

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