茨城県道・千葉県道103号江戸崎下総線

茨城県道・千葉県道103号江戸崎下総線

茨城県道・千葉県道103号江戸崎下総線は、茨城県稲敷市江戸崎を起点とし、千葉県成田市名古屋を終点とする、全長約15kmの一般県道です。この路線は、茨城県と千葉県を結ぶ重要な役割を担っており、地域住民の生活や経済活動を支えています。

概要

この県道は、稲敷市江戸崎の市街地から始まり、稲敷郡河内町金江津を経由して、成田市名古屋に至ります。路線の大部分は南北に走り、途中で利根川を常総大橋で渡ります。稲敷市内では、首都圏中央連絡自動車道（圏央道）の稲敷東インターチェンジ（IC）と接続しており、広域交通のアクセスポイントとしても機能しています。

千葉県内では、常総大橋のすぐそばの交差点で国道356号と交差します。その後、JR成田線滑川駅入口付近から、成田市滑川観音脇にかけて、かつての利根水郷ラインのルートを辿ります。そのため、終点の成田市名古屋に至るまで、県道79号横芝下総線の西側を大きく迂回するような経路となっています。この迂回ルートが、この県道の特徴の一つと言えるでしょう。

路線データ

起点：茨城県稲敷市江戸崎（茨城県道49号江戸崎新利根線交点）
終点：千葉県成田市名古屋（千葉県道79号横芝下総線交点）
総延長：14.870 km（茨城県区間：10.915 km、千葉県区間：3.955 km）
重用延長：3.679 km（茨城県区間：1.632 km、千葉県区間：2.043 km）
未供用延長：なし
実延長：11.191 km（茨城県区間：9.283 km、千葉県区間：1.908 km）
自動車交通不能区間延長：なし

路線内の主な道路の幅員は、以下の通りです。

稲敷市桑山：16 m（車道部6.5 m/2車線）
河内町平山：10.75 m（車道部6.0 m/2車線）

歴史

1959年（昭和34年）10月14日、茨城県は県道江戸崎下総線を認定しました。当初、利根川には橋が架かっておらず、渡し船（高岡の渡し）が利用されていました。1967年末には、幅4mの渡船橋が架けられましたが、増水時には利用できず、依然として渡し船に頼る状況でした。そのため、地域住民から永久橋の架橋を求める声が高まり、1979年に常総大橋が開通しました。

1995年（平成7年）には、整理番号が103に変更され、現在に至ります。

年表

1959年（昭和34年）10月14日：県道江戸崎下総線（図面対照番号215）として茨城県が路線認定。茨城県内の区域は、稲敷郡江戸崎町大字江戸崎から県界稲敷郡河内村大字金江津までと決定。
1967年（昭和42年）12月20日：利根川に渡船橋「常総船橋」を架橋、および河川区域内の取付道路を供用開始。
1979年（昭和54年）2月13日：渡船橋及び、河川区域内の取付道路を廃止。常総大橋が開通。
1995年（平成7年）3月30日：茨城県区間の整理番号が271から103に変更。
2014年（平成26年）2月26日：河内町平川の交差点改良バイパス（268 m）が開通。
2017年（平成29年）2月2日：河内町平川の主要地方道取手東線交差点改良に伴い、旧道（188 m）が町道に降格。
2021年（令和3年）10月7日：稲敷市桑山の道路改良バイパス道路を供用開始。
2022年（令和4年）7月19日：稲敷市大字桑山から河内町大字平川の現道（2.648 km）を拡幅改良する区域に指定。
2023年（令和5年）2月20日：稲敷市桑山の旧道（177m）が指定解除され、稲敷市へ移管。

路線状況

首都圏中央連絡自動車道（圏央道）の稲敷東ICの開通に合わせて、IC周辺道路と県道取手東線交点の交差点の改良事業が進められています。

また、以下の区間は緊急輸送道路として、災害時の被害拡大を防ぐため、道路用地内への電柱の新規設置が制限されています。

稲敷市犬塚（主要地方道土浦稲敷線交差） - 同市高田（稲敷警察署）
稲敷市桑山（県道竜ケ崎潮来線交差） - 稲敷市桑山（首都圏中央連絡自動車道 稲敷東IC）

別名

この県道の一部区間は、利根水郷ライン（旧道）の一部として知られています。具体的には、千葉県成田市高岡から滑川にかけての約1.6km区間が、かつての国道356号の旧道であり、現在は県道103号の一部となっています。

重複区間

県道103号には、他の県道との重複区間がいくつかあります。

茨城県道25号土浦江戸崎線（稲敷市江戸崎地内：約0.5 km）
茨城県道11号取手東線（稲敷郡河内町平川 - 同町金江津：約1.7 km）
千葉県道63号成田下総線（千葉県成田市高岡地内：約0.4 km）

道路施設

この県道には、以下の主要な橋梁や構造物が含まれます。

大正橋（沼里川、稲敷市荒沼）
高田橋（小野川、稲敷市高田）
新橋（新利根川、稲敷市新橋）
西橋（稲敷市清水 - 稲敷市河内町平川）
常総大橋（利根川、茨城県稲敷市 - 千葉県成田市県境）
大菅跨線橋（JR成田線、成田市大菅 - 滑川）

交通量

稲敷市桑山の竜ケ崎潮来線交点付近では、1日あたり約4,538台の交通量があります（平成22年度調査）。

地理

この県道が通過する主な自治体は以下の通りです。

茨城県：稲敷市、稲敷郡河内町
千葉県：成田市

交差する道路

県道103号は、以下の道路と交差しています。

茨城県道49号江戸崎新利根線（稲敷市江戸崎 起点）
茨城県道107号江戸崎神崎線（稲敷市高田）
茨城県道5号竜ヶ崎潮来線（稲敷市桑山）
首都圏中央連絡自動車道（圏央道）稲敷東IC（稲敷市桑山）
茨城県道11号取手東線（河内町平川 - 金江津 常総大橋入口交差点）※重複
国道356号（成田市高岡）
千葉県道63号成田下総線（成田市高岡 - 滑川 滑川観音脇交差点）※重複
千葉県道79号横芝下総線（成田市高岡）
千葉県道161号成田滑河線（成田市滑川 滑川観音脇交差点）
千葉県道79号横芝下総線（成田市大菅 / 名古屋 終点・下総高校前交差点）

沿線施設

この県道の沿線には、以下のような施設があります。

稲敷市役所（稲敷市江戸崎）
江戸崎総合運動公園（稲敷市荒沼）
稲敷警察署（稲敷市高田）
小野川
稲敷市立高田小学校（稲敷市高田）
利根川
JR成田線
滑河駅
成田市役所下総支所（成田市猿山）
龍正院滑川観音（成田市滑川）
キャスコ花場カントリー（成田市大菅）
千葉県立下総高等学校（成田市名古屋）

参考文献

茨城県土木部『茨城県道路現況調書 令和2年3月1日現在』
千葉県成田土木事務所『道路の現況 令和3年10月1日現在』

関連項目

茨城県の県道一覧
千葉県の県道一覧

外部リンク

茨城県土木部
竜ケ崎工事事務所（稲敷市 - 河内町区間の道路の管理事務所）
千葉県県土整備部
* 成田土木事務所（成田市区間の道路の管理事務所）

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