茶臼塚古墳 (柏原市)

茶臼塚古墳の概要

茶臼塚古墳（ちゃうすづかこふん）は、大阪府柏原市国分に位置する古墳で、その形状は独特の長方形をしています。この古墳は史跡としての指定は受けていませんが、出土品は柏原市の有形文化財に指定されており、地域の歴史的な価値を物語っています。

位置と発見の経緯

茶臼塚古墳は松岳山古墳のすぐ西側に接しており、地元の住民によって1985年に石室が発見されました。発見後、柏原市教育委員会が迅速に調査を行い、翌年には墳形や構造の詳細を確認するための発掘調査が実施されました。最初の推定では、墳形は直径20メートルの円墳とされていましたが、調査の結果、実際には長方形の形を持っていることが分かりました。

内部構造

この古墳の内部には、安山岩製の石室が設けられており、構造は竪穴式で、全長は620センチ、幅は100センチ、高さは170センチに及びます。しかし、南半分は大部分が崩落しており、東壁の上部も崩れた状態でした。それでも、保存状態が良い西壁と北壁があり、木棺を置くための粘土床も見つかりましたが、木棺そのものは残っていませんでした。

墳丘の構造

墳丘は、盛土の上に同じ安山岩板石が被せられた構造となっており、基檀積石塚に似た形状をしています。特に、表面を覆う板石はおおよそ30センチ×20センチ×5センチの大きさで、石室と同様に小口積みにされており、その壁面は地面に対してほぼ垂直となっています。今回の調査は部分的であったため、墳丘全体の形状は完全には明らかにされておらず、推定では東西に約17メートル、南北に約22メートル、高さは約3メートルの2段築成の長方形墳と考えられています。

出土遺物とその意義

古墳内の副葬品には、三角縁神獣鏡1面、四獣鏡1面、碧玉製の鍬形石6点、車輪石8点、石釧41点、刀子2本、鉄斧1本、鎌1本、やりがんな2本などが含まれています。特に碧玉製の腕飾りは、総数が55個に及び、小規模古墳からの出土としては非常に珍しいケースです。これらの出土品は柏原市の有形文化財に指定されており、現在は柏原市立歴史資料館に保管されています。

被葬者の推定

茶臼塚古墳の遺物の発見が不時であったため、すべての遺物が確認できたわけではありませんが、失われたものはごくわずかと考えられています。これにより、被葬者は宗教的な権威を持つ人物であった可能性が高いとされています。また、近隣の松岳山古墳との近接性から、その権力の補完的な存在であったとも推測されています。

文化財としての位置づけ

茶臼塚古墳から出土した遺物は、柏原市の文化財として広く認識されており、地域の歴史を知る上で重要な資料とされています。これらの品々は古代の人々の生活や信仰、技術を探求する手掛かりとなり、今後の研究にも大いに寄与することが期待されます。

以上のように、茶臼塚古墳はその独特な形状と出土遺物により、大阪府の古代史を語る重要な遺跡とされています。

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