草津川

草津川について

草津川（くさつがわ）は、滋賀県の淀川水系に属する一級河川です。特に下流域は天井川と呼ばれ、大雨の際に度重なる洪水を引き起こしてきました。しかし、2002年には治水事業の一環として草津川放水路が開通し、旧河道は廃川としてその役割を終えました。今回は草津川の歴史とその環境保全について詳しく見ていきます。

概要

草津川は大津市南東部の鶏冠山西麓に源を持ち、初めはオランダ堰堤を経て北方向に流れます。草津市に入ると美濃郷川と合流し、名神高速道路の近くを通る際には北西へと向きを変えます。この川は草津市と栗東市の境界を成し、東海道新幹線に近づくと金勝川が合流し、新河道区間へと進みます。最終的には琵琶湖に注ぐ河口部には帰帆北橋が架けられています。旧河道は砂川と呼ばれ、かつてはこの名称で知られていました。

歴史

草津川の天井川化は、江戸時代に始まったとされています。その形成には、風化した花崗岩でできたもろい地質が影響しており、大雨の際には多くの土砂が流出し、河道が高くなる原因となりました。具体的には、江戸初期には低い堤防が存在していたが、江戸中期以降に川床が高くなり、堤防が築かれていった結果、現在の天井川の形態が完成されたと考えられています。

近年、草津市は人口増加に伴い防災措置として新しい河川の建設を進めることとなりました。従来の河底を掘り下げるよりも、新河川に切り替える方が costo の面や防災面で優れていると考えられたためです。2002年には草津川放水路による下流部の河川切替工事が始まり、7.2kmの区間が掘削され、結果としては浸水面積が大幅に減少しました。旧草津川は洪水のリスクが軽減されました。

新河川の完成と並行して草津川の環境調査が行われた結果、生物の多種が確認されるようになり、ゲンゴロウブナやツチフキ、スゴモロコなど新たな生態系が形成されました。これにより、草津川はただの水路から多様な生態系を支える環境へと生まれ変わったのです。

旧河道の利用

2002年の河川付け替えに伴い、旧草津川は放置されることとなりましたが、2011年には草津市が「草津川跡地利用基本構想」を策定。旧河道を「琵琶湖と市街地を結ぶ緑軸」と見なし、その整備を進めました。2012年には具体的な利用計画が立案され、2014年度から段階的に整備が開始され、2017年度には草津川跡地公園がオープンしました。

また、旧草津川の利用につながるインフラ整備も進められ、周辺の交通利便性が向上しました。特に都市計画道路大江霊仙寺線や大津湖南幹線の開通が地域の発展を支えています。

まとめ

草津川の歴史は多雨による自然災害と、それに対する治水工事による環境改善の歴史でもあります。新たに確立された河川と廃川の利用がもたらす利便性や生態系の保護は、地域にとって貴重な資源となっています。草津市は今後もこの場所を活かしたまちづくりを進めていくことでしょう。

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