荒川峡温泉郷

荒川峡温泉郷

概要

荒川峡温泉郷は、新潟県岩船郡関川村を流れる荒川の渓谷沿いに点在する四つの温泉地を総称した呼び名です。具体的には、荒川の上流部に位置する高瀬温泉、雲母（きら）温泉、湯沢温泉、そして鷹ノ巣温泉が含まれます。これらの温泉地は、それぞれが近世よりもさらに遡る歴史や、地域に伝わる興味深い伝説や謂われを持っており、古くから訪れる人々の湯治場として親しまれてきました。

なお、関川村にはこれらの四温泉に加え、1997年に道の駅関川内にオープンした桂の関温泉があります。この桂の関温泉を含めた五つの温泉は、「えちごせきかわ温泉郷」という名称で呼ばれることもあります。また、昭和期以前には、「関郷温泉郷」と呼ばれていた時期もあったとされています。

構成する温泉地の一つである湯沢温泉については、新潟県南魚沼郡にある有名な越後湯沢温泉とは全く別の温泉地ですので、ご注意ください。

歴史と特徴

荒川峡温泉郷を形成する各温泉地は、それぞれが独自の歴史を刻んできました。古くからその存在が知られ、病気や怪我を癒す目的で多くの人々が湯治に訪れた記録が残されています。豊かな自然に囲まれた環境は、温泉の効能と相まって、心身のリフレッシュに適した場所として現在に至るまでその役割を果たしています。

2022年8月現在の状況としては、「えちごせきかわ温泉郷旅館組合」に11軒の旅館が加盟しており、訪れる旅行者に様々な宿泊の選択肢を提供しています。

交通アクセス

荒川峡温泉郷へのアクセスは、主にJR米坂線または高速バスを利用するのが便利です。

最寄り駅はJR米坂線の越後下関駅となります。また、高速バスの場合は、新潟交通観光バス下関営業所前にあるZao号の「下関」バス停が利用できます。このバス停は越後下関駅前の交差点脇に位置しています。

駅または下関営業所からは、各温泉地へ向かうためのいくつかの手段があります。

レンタサイクル「湯～チャリ」：越後下関駅から徒歩約5分の自転車店や温泉街でレンタサイクル「湯～チャリ」を利用できます。これは温泉郷内を気軽に移動するのに便利で、乗り捨てにも対応している場合があります。
路線バス：高瀬温泉、雲母温泉、湯沢温泉、鷹ノ巣温泉へは、新潟交通観光バスの路線バスが運行しています。ただし、運行は平日のみで、本数も少ないため、事前に時刻表を確認することが重要です。
* 徒歩：桂の関温泉（ゆ～む）へは、越後下関駅から徒歩約10分程度でアクセス可能です。

構成温泉地のうち、鷹ノ巣温泉は他の四温泉と比較すると駅からやや離れた場所にありますが、高瀬、雲母、湯沢温泉、そして桂の関温泉は、越後下関駅や関川村役場から概ね2 km圏内に比較的近接して点在しています。

まとめ

荒川峡温泉郷は、新潟県関川村の自然豊かな荒川沿いに位置し、四つの歴史ある温泉地が集まる魅力的な湯治場です。古くから受け継がれる歴史や伝説に触れつつ、清流と緑に囲まれた静かな環境で、ゆったりと温泉を楽しむことができます。公共交通機関やレンタサイクルを利用して、それぞれの温泉地の特色を巡る旅もおすすめです。

参考文献として、野口冬人著『全国温泉大事典』（旅行読売出版社）に本温泉郷に関する記述があります。

また、最新の情報や各旅館の詳細については、「えちごせきかわ温泉郷旅館組合」のウェブサイトを参照するのが良いでしょう。

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