荒川橋梁 (八高線)

荒川橋梁（あらかわきょうりょう）の概要

荒川橋梁は、埼玉県大里郡の寄居町にある重要な鉄道橋で、東日本旅客鉄道（JR東日本）八高線を支える架け橋です。この橋は、寄居駅と折原駅の間に架かる荒川に位置しており、その設計は特異な地形に適応したものとなっています。

位置と構造

この橋梁は、荒川の河口から95.7 kmの distance にあり、両岸は河岸段丘で構成されていることから低水路と段丘面との高度差が大きいのが特徴です。そのため、堤防などの河川施設が存在せず、橋は右岸と左岸の段丘面を直接結んでいます。

橋の設計は開床式鋼橋であり、総延長は137.8 mです。右岸側には、単線の上路平行弦ワーレントラスが設置され、鋼材の重量は189トン、支間長は66 mです。左岸側には3つの径間があり、こちらは単線の上路プレートガーダーで構成されています。さらに、この橋には作業用通路としてキャットウォークが下流側に設けられています。

橋の形状は両側がカーブしており、左岸側は300メートルの半径で右に曲がっています。

歴史

荒川橋梁は、1932年11月に工事が着工され、1934年4月に竣工を迎えました。その後、同年の10月6日に開通し、八高線の全通に貢献しました。この橋の建設は、小川町と寄居町の間の延伸工事に伴って行われましたが、その際には地形を考慮し、勾配を緩和するために市街地の西側を迂回する線形が採用されました。

開通時の橋梁は、現在の秩父鉄道荒川橋梁に似た5径間のプレートガーダー橋でした。当初の設計では、左岸の2径間の支間長は19.5メートルという短さでしたが、その後の補修や改修を経て、1986年には耐候性鋼を使用した新しい平行弦ワーレントラス橋に改築されました。

1987年には国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の運営に移行しています。橋桁の製作は川田工業が手がけました。

周辺環境

荒川橋梁の左岸側は寄居町の市街地に位置し、周囲には埼玉県立長瀞玉淀自然公園があります。この地域は深い渓谷が存在しており、岩肌が目立つ河岸が特徴的です。また、この橋が架かる荒川の近くには、江戸時代から存在した渡し場があったことが知られています。

寄居町には寄居小学校や折原小学校、鉢形城址（国の史跡）などの観光スポットも点在しています。さらに、歴史的な背景を持つ鉢形城公園や歴史館も近くにあり、訪れる人々にとっての魅力の源となっています。

まとめ

荒川橋梁は、埼玉県の自然と歴史が交差する場所に位置し、その独特な設計と歴史的背景を持つ重要な交通インフラです。この橋は、地域社会にとって欠かせない存在であり、観光名所としても訪れる人々に愛され続けています。

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