荒川橋梁 (東武東上本線)

荒川橋梁の魅力と歴史

荒川橋梁（あらかわきょうりょう）は、埼玉県大里郡寄居町に位置する鉄道橋で、東武鉄道の東上本線に架かっています。この橋は、玉淀駅のすぐ南側、荒川を跨ぐ重要な構造物であり、1925年に完成しました。その長さは162.4メートルあり、最大支間長は46.939メートルに達します。

橋梁の特徴

この橋梁は上路式の鋼プラットトラス構造として知られています。特に、水面と橋面の高低差が大きい点が特徴です。トラス桁には、細かいトラス構造を形成するためにレーシングバーと呼ばれる部材が使用されており、主にシングルレーシングとダブルレーシングの両方が見られます。

両端には長さ9.8メートルの単線上路プレートガーダーが接続されており、全体の構造が非常に堅固に設計されています。橋脚や橋台は鉄筋コンクリート製であるため、安定性と耐久性に優れ、60年以上の年月を経てもその形を保っています。

この橋は両岸が河岸段丘になっているため、堤防などによる河川設備が少なく、右岸と左岸の段丘面を直接結ぶ形で架設されています。また、高さは水面から16メートルにも及び、その雄大な姿は訪れる者を魅了します。

施工と歴史

荒川橋梁は1915年に着工し、10年後の1925年に開通しました。当初は非電化路線で架線柱は設置されていませんでしたが、1929年に電化が進む中で、橋脚に新たに架線柱が設けられました。開通当初は寄居町と鉢形村の境に架かっていたものの、1955年の町の合併により、両岸ともに寄居町の一部となりました。

荒川の河川敷では砂利採取が行われており、その影響で河床が低下する事態が発生しました。1963年には、河床が1.5から2メートルも下がってしまい、その年に砂利採取は全面的に禁止されました。しかし、1964年に玉淀ダムが完成したことで、河床低下が進行し橋脚に影響を及ぼしました。65年には橋脚の基部がむき出しになる問題が発生し、補強工事が必要となりました。

1972年、緊急会議が開かれた結果、橋脚の補修工事が行われることが決定。運行が停止され、アクアラングを使った水中調査の後、急速に補修工事が行われ、わずか3日後には運行が再開されました。

周辺環境

荒川橋梁は寄居町の市街地から近く、埼玉県立長瀞玉淀自然公園の東端に位置しています。その周辺は古くからの名勝地として知られ、玉淀河原などがあります。また、荒川は独特の渓谷を形成し、地域の自然美を引き立てています。

この橋の近くには、かつて樋の下にあたる渡船場が存在しており、交通の要所として多くの人々に利用されてきました。現在でも地元の人々や観光客に利用され続けており、橋は地域の歴史と発展を支える重要な役割を担っています。

結論

荒川橋梁は、埼玉県における重要な歴史的遺産であり、その独特な設計と周辺環境の美しさから、多くの人々に愛されています。訪れる人々にとって、この橋は地域の歴史や自然の素晴らしさを感じるための特別な場所です。

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