荒川章二

荒川章二: 日本の歴史学者の紹介

荒川章二（あらかわ しょうじ、1952年生まれ）は、日本の歴史学界において重要な地位を占める学者の一人です。彼の専門分野は日本の近現代史と軍事史であり、特に軍隊と地域社会に関する研究に注力しています。国立歴史民俗博物館の名誉教授として、また静岡大学の名誉教授、さらには放送大学浜松サテライトスペースの客員教授として、その知識と研究成果を広めてきました。

学歴と経歴

静岡県に生まれた荒川氏は、1976年に早稲田大学第一文学部を卒業し、1978年には立教大学にて修士号を取得しました。その後、一橋大学大学院社会学研究科で博士課程に進み、1983年に単位取得満期退学しました。この際、指導教官である藤原彰氏から多くの影響を受けたとされています。

彼の学術活動は多岐にわたり、1984年には日本学術振興会の奨励研究員として活躍。1985年には法政大学での研究員を兼務し、1988年に静岡大学教育学部の助教授に就任しました。その後は情報学部へと移り、1995年には教授に昇進します。2004年からは国立歴史民俗博物館で客員教授としても活動し、2010年から2013年までは静岡大学情報学部長として、教育現場を引っ張ってきました。

2018年3月には国立歴史民俗博物館及び総合研究大学院大学を定年退職し、その長年の功績を讃えられています。

研究テーマ

荒川氏の研究テーマは日本近現代史と軍事史であり、特に社会史や地域史における軍事の役割についての探求が特徴です。軍隊と地域の関係を深く掘り下げることで、歴史をより多面的に理解することを目指しています。また、静岡県史や山口県史の編纂にも関与しており、地域の歴史に対する影響力も大きいです。彼の研究は、歴史学にとどまらず、地域社会や文化にも大きな貢献をしています。

主な著作

荒川氏は数多くの著書や共同著書を出しています。その中でも以下のような書籍が特に注目されています。

• - 『日本現代史』（1986年）: 日本の現代的歴史を詳細に分析した著作で、1995年には新版が発行されます。
• - 『敗戦前後―昭和天皇と五人の指導者』（1995年）: 戦争終結直後の日本の政治指導者に関する重要な研究です。
• - 『軍隊と地域』シリーズ（2001年）: 軍事と地域社会の相互作用について考察しています。
• - 『浜松まつり―学際的分析と比較の視点から』（2006年）: 地域文化の一環としての祭りについての研究。
• - 『増補　軍隊と地域　郷土部隊と民衆意識のゆくえ』（2021年）: 彼の研究の集大成ともいえる作品で、再出版されています。

また、編集委員や理事としての役割も果たしており、同時代史学会や静岡県近代史研究会の活動に寄与しています。

結論

荒川章二氏は日本の歴史学界において、近現代史や軍事史を専門とする権威として多くの功績を残しています。彼の研究は学術的な枠を超え、地域社会への理解を深める上でも重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

もう一度検索