荒川第二・第三調節池

荒川第二・第三調節池

荒川第二・第三調節池（あらかわだいに・だいさんちょうせつち）は、埼玉県さいたま市と上尾市に建設中の大規模な調整池です。このプロジェクトは、国土交通省が推進する荒川調整池計画の一部であり、総工費はおよそ1,670億円に達します。

背景

過去には、カスリーン台風による荒川の決壊が問題となりました。具体的には、熊谷市久下地では約100メートル、鴻巣市では約65メートルにわたって大規模な決壊が発生し、元荒川から流れる洪水が越谷市や吉川市で利根川の決壊による濁流と合流する事態が見られました。これにより、東京都や埼玉県における洪水氾濫のリスクを軽減するため、荒川中下流域で調整池の設置が計画されたのです。

2018年度に荒川第一調節池の完成後すぐに、この第二・第三調節池の工事が始まりました。これらの調節池は一体的に整備される計画であり、国土交通省の事業名は「第二・第三調節池」と名付けられています。

調整池の構造

川越線の荒川橋梁を境に、北側が第三調節池、南側が第二調節池とされており、計画は進められています。令和元年東日本台風（台風19号）が発生した際、完成した第一調節池は過去最高の稼働力でその機能を発揮しましたが、それにもかかわらず第二調節池の計画地で観測史上最大の水位が記録されました。これにより、プロジェクトの必要性が改めて強調されたのです。

工事の進捗と展望

市街地に面した側では、「さいたま築堤」によって堤防が強化される工事が先行して行われています。また、河川側では囲繞堤の整備が始まっています。当調節池の主な目的は治水専用であり、第一調節池に設けられているような水道用水の貯水池は造られません。このため、調節池内では完成後もゴルフ場や荒川総合運動公園などが設置される計画です。囲繞堤を建設することで、比較的小規模な洪水時にはゴルフ場や荒川総合運動公園の河川敷が水に浸かりにくくなります。

まとめ

荒川第二・第三調節池は、埼玉県における洪水対策の要として期待されています。これにより地域住民の安全が確保され、より安心して暮らせる地域づくりに貢献することが期待されています。工事の進捗や機能が実現されることで、将来的に大雨や台風による被害が大幅に軽減されることが望まれています。

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