荒木政公

荒木政公の生涯と業績

荒木政公（あらき まさきみ、1919年 - 没年不詳）は、長崎県に生まれたプロ野球選手で、ポジションは投手であった。彼は1939年に阪急軍に入団し、キャリアは短かったものの、その才能と活躍で多くのファンの心をつかんだ。彼の人生は野球界における短いながらも印象的な活動によって彩られていた。

来歴と野球キャリア

荒木は海星中学（現・海星中学校・高等学校）で学び、さらには門司鉄道管理局でプレーを積む。海星中学時代は甲子園に出場する機会はなかったが、門司鉄道管理局では九州地区決勝大会で八幡製鉄に敗北し、都市対抗野球に出場することは叶わなかったものの、「九州の好投手」として名をあげていた。

1938年には、職業野球の各球団からスカウトが集まる逸材として評判となり、特に阪急の村上実球団代表が来訪した際には、他球団から提示された契約金額に触れ、高額な契約を提示した阪急への入団を決意するという出来事があった。多くの球団が注目する中、東京巨人軍も彼を獲得しようと狙っていたが、最終的には阪急に決めたことが記録されている。

彼が阪急に入団したのは1939年で、その年のシーズンは特に注目すべきものであった。荒木は3月30日のイーグルスとの試合でプロ入り2戦目にして初先発を果たし、3安打4四球4三振を記録する素晴らしい成績を残して初勝利を達成。続く試合でも安定した投球を見せ、2試合連続で無四球勝利を収める快挙を達成した。シーズンそのものでは、規定投球回には達しなかったものの、9勝2敗（完封3試合）および防御率1.72という優れた成績を残し、打撃面でも打率.289をマークし、阪急を3位に押し上げる原動力となった。

軍務とその後

しかし、シーズン中に徴兵検査を受け、甲種合格となったことが彼のキャリアに影響を及ぼす。1939年6月3日には新人東西対抗野球戦が予定されていたが、直接長崎から戻ったばかりのため登板を回避し、平野正太郎にその役目を任せることとなった。わずか1年のプロ野球生活を終え、シーズン終了後に入営。彼のその後は、満ソ国境での戦病死となってしまった。その正確な没年月日は不明だが、1942年4月15日発表の報告によると、戦病死の形で彼の生涯は幕を閉じた。

彼の名と遺産

荒木の野球キャリアは短命に終わったものの、彼の名は東京ドーム敷地内に建立された鎮魂の碑に刻まれており、今でも多くの人々に記憶されている。特に彼の才能は、将来を期待され、応援される選手であったため、多くのファンにとって忘れがたい存在である。

背番号と参考文献

彼の背番号は15で、プロ入りした1939年に振り当てられた。彼に関する詳しい情報は、『報知グラフ 別冊 巨人軍栄光の40年』などの文献にも記載されている。

荒木政公のような才能ある選手の存在は、今後も野球界の中で語り継がれることであろう。

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