荒木町 (新宿区)

荒木町の概要

荒木町は、東京都新宿区の南東部に位置する、丁目を持たない単独の町名です。住居表示は未実施で、新宿区の南東部に位置しています。北は住吉町と片町、東は津の守坂通りを挟んで四谷坂町と四谷三栄町、南は四谷三丁目、西は舟町と接しています。町の中央部には、荒木マンション裏の池を底とするすり鉢状の地形が特徴的です。かつては花街として栄えましたが、現在では高層建造物も見られます。

歴史

江戸時代、荒木町一帯は美濃国高須藩藩主・松平義行の屋敷でした。北に接する津の守坂通りは、義行の官位である摂津守に由来しています。屋敷には大きな池があり、徳川家康（または義行）が乗馬用の鞭を洗ったことから「策の池」と呼ばれていました。明治時代になると、屋敷がなくなり、池や庭園が一般に公開され、荒木町一帯は景勝地として知られるようになります。多くの料理屋が軒を連ね、芸妓が行き交う花街として栄えました。関東大震災後には、他の花街が被災したため、荒木町に多くの客が流れ込み最盛期を迎えました。最盛期には、料理屋13軒、待合63軒、置屋86軒、芸妓252名がいたと記録されています。しかし、戦争により花街は縮小、昭和20年の空襲で壊滅的な被害を受けました。戦後復興を遂げましたが、昭和40年代に衰退し、昭和50年代末には花街としての歴史を終えました。

現在でも、車力門通りや杉大門通りなどの通り沿いや路地裏には、飲食店が点在し、花街時代の風情を残しています。「策の池」は規模が縮小されましたが、津の守弁財天のそばに残っています。昭和30年代の雰囲気を色濃く残した街並みは、多くの訪問者を魅了しています。

人口と世帯数

2023年1月1日現在、荒木町の世帯数は1,707世帯、人口は2,510人です。

学区

荒木町全域は、新宿区立四谷小学校と新宿区立四谷中学校の学区に指定されています。

交通

町域内に鉄道駅はありませんが、南部は東京メトロ丸ノ内線の四谷三丁目駅、北部は都営新宿線の曙橋駅が利用可能です。また、外苑東通りが町域の北西部を縦断し、靖国通りと新宿通りが近接しています。

事業所

2021年の経済センサスによると、荒木町の事業所数は316、従業員数は3,007人です。

主な施設

荒木公園
津の守弁財天
金丸稲荷
ギャラリー

その他

荒木町の郵便番号は160-0007で、集配局は新宿郵便局です。

外部リンク

新宿区
荒木町商店会
* 杉大門通り商店街人気会

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