荒正義

荒正義：麻雀界のレジェンド、その生涯と雀風

荒正義（あらまさよし）は、1952年北海道北見市生まれの日本プロ麻雀連盟所属プロ雀士、エッセイスト、漫画原作者である。日本プロ麻雀連盟副会長を務め、九段の段位を持つ。テレビ対局では「精密機械」「北海の荒法師」「最後の裏プロ」といったキャッチフレーズで知られる。趣味は囲碁で、アマチュア七段の腕前を持つ。

輝かしい経歴：数々のタイトルと記録

18歳で上京し、23歳でプロ入り。自身はその決断について「それが好いことなのか、能力が乏しいのかいまだにわからない」と回顧している。以降、数々のタイトルを獲得。最高位戦第一期新人王、王位戦優勝、鳳凰戦優勝、最強戦優勝など、その活躍は目覚ましい。特に2011年の鳳凰戦決定戦では、瀬戸熊のリーチに対し、テンパイから中抜きという大胆な一手を見せ、優勝を掴み取った。

2003年には王位戦とマスターズを制覇。プライベートでは作家・白川通氏らと麻雀を打っていた時期もあったとされる。鳳凰戦では第1期から第32期まで32年連続A1リーグに所属するも、2015年にはA2リーグに降級。その後も第一線で活躍を続け、2021年には最強戦ファイナル進出を果たしている。さらに同年に史上初となる日本プロ麻雀連盟の五大タイトル（鳳凰位、十段位、王位、麻雀マスターズ、麻雀グランプリMAX）全制覇を達成。「タイトルは種類より数が大事」という彼の言葉は、彼の勝負師としての信念を示している。しかし、2021年末にはC1リーグに降級するなど、常に挑戦を続ける姿勢を見せている。

独特の雀風と麻雀観

荒正義の雀風は、巧みな鳴きを織り交ぜた柔軟なスタイル。近代麻雀誌上では「ジャックナイフ」と評されたこともある。ビートたけしからは「薄情な麻雀打ち」と評されるほど冷徹な面を持ちつつ、小島武夫からは鳴きの多さを批判されたこともある。近年はメンゼンを重視する攻撃的なスタイルへと変化させており、自身はこれを「自然流」と称している。鳳凰戦初期から活躍し、灘麻太郎の麻雀を研究し続けたというエピソードも興味深い。

生涯現役への決意：バブルと「神の声」

荒正義は30代の頃、50歳で引退し、海のそばでのんびり暮らすことを夢見ていた。しかし、バブル景気の奔流と、自らを奮い立たせる「神の声」のような何かを感じ、生涯現役を貫く決意をした。著書にはバブル景気について「湧いた金が人を狂わし破壊した」「神は金に踊る人間を許さなかった」といった記述があり、当時の激動を垣間見ることができる。

多彩な活動：著者、漫画原作者として

プロ雀士としての活動に加え、荒正義はエッセイスト、漫画原作者としても活躍。多くの書籍を執筆しており、麻雀の技術や戦略に関するものだけでなく、自身の経験や哲学を綴った作品も多い。また、漫画『鉄火場のシン』や『リスキーエッジ』の原作も手掛け、麻雀の世界観を広く伝えている。さらに、映画『雀鬼くずれ』では闘牌指導を行い、映画『麻雀最強戦 the movie』にも出演するなど、多方面で才能を発揮している。動物好きとしても知られており、猫を複数匹飼っていた時期もあったというエピソードも残っている。

まとめ：麻雀界に輝く不屈の闘士

荒正義は、類まれな才能と不屈の精神で麻雀界を牽引するレジェンド的存在である。数々のタイトル獲得、独自の雀風、そして生涯現役への強い意志。彼の生き様は、多くの麻雀ファンに感動と勇気を与え続けている。彼の今後の活躍にも期待したい。

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