荒立神社

荒立神社の概要

荒立神社（あらたてじんじゃ）は、宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井という場所に位置する神社です。この神社は、地域の宗教的活動の中心として信仰を集めており、訪れる人々にさまざまな恩恵をもたらしています。

祭神について

当神社の主祭神には、猿田彦命（さるたひこのみこと）と天鈿女命（あめのうずめのみこと）の二柱が祀られています。猿田彦命は、日本神話において天孫降臨の際、道案内をした神とされ、交通安全のシンボルです。一方、天鈿女命は、天照大神が天の岩戸に隠れた際、楽しく舞を踊った神として知られています。このため、荒立神社では、交通安全に加え、五穀豊穣、商売繁盛、厄除け、夫婦和合、安産、長寿、そして芸事の上達といった願い事が広く祈願されています。

神社の歴史

荒立神社は、明治時代に村社として認定されましたが、20世紀初頭に実施された神社の合祀政策により、高千穂神社へ合祀されて一度は廃社となりました。しかし、後に復社され、現在のように地域の重要な神社として機能してきました。こうした歴史を経て、現在まで信仰が続いていることは地域の文化の豊かさを示しています。

文化財

荒立神社にはいくつかの文化財があります。中でも特筆すべきは、銅製の鰐口です。この鰐口は1380年に作られたもので、「天授六（年）十二月十三日」という銘が刻まれており、県内で現存する最古の紀年銘のある鰐口となっています。2018年9月10日には、宮崎県の指定有形文化財に指定され、その歴史的価値が認められました。さらに、当神社に伝わった神像のうち4体は、高千穂神社との合祀の際に同社へ移され、現在は高千穂神社が所蔵しています。これらの神像は、もともと宮崎県指定の有形文化財（美術工芸品）でしたが、2020年には国の重要文化財に指定され、その価値がさらに高まりました。

社殿の構造

荒立神社の社殿は、典型的な切妻造りであり、桁行2間、梁行2間の平入式の構造です。このような建築様式は、日本の伝統的な神社建築において一般的です。社殿は、神聖な空間を形成し、訪れる人々に落ち着きと敬意を与えます。

まとめ

荒立神社は、地域の歴史、文化、信仰が凝縮された場所です。多くの人々が、ここで願い事を祈願し、日々の生活の中での幸福を求めています。神社の運営や維持には地域の人々の努力も欠かせません。訪れる際には、地域の歴史や由緒を感じながら、心静かに過ごすひとときが大切です。荒立神社は、そうした神聖な場所として、これからも多くの人々に親しまれていくことでしょう。

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