菅井誠美

菅井誠美は、1849年に薩摩藩士の家に生まれ、後に菅井家の養子となりました。幕末には薩摩藩士として活動し、明治維新後は新政府に出仕して警察官僚としての道を歩み始めます。

1877年、警視庁に勤務していた菅井は、同郷の中原尚雄らとともに西郷隆盛の動向を探るため帰郷しますが、私学校党に捕えられてしまいます。この事件は、西南戦争勃発の遠因の一つとなりました。

その後、菅井は熊本県や宮城県、神奈川県で警察部長を歴任し、1893年には三池集治監の典獄に就任します。ここでは、看守の服務規定や囚人の動作規範を定めるなど、監獄運営の改善に尽力しました。1899年には愛知県書記官に転任し、その後、警視庁警視・総監官房主事を務めます。

1902年、菅井は栃木県知事に就任します。同年には足尾台風による風水害が発生し、その復旧に尽力しました。1904年には愛媛県知事に転任しますが、同年中に休職し、その後は私立獣医学校の校長を務めました。

菅井誠美は、そのキャリアを通して警察官僚として、また地方官僚として、様々な分野で日本の発展に貢献しました。特に、監獄運営の改善や災害復旧への尽力は、その功績として評価されています。また、西南戦争勃発の遠因を作った人物としても、歴史に名を残しています。

1903年には正五位、1906年には勲三等瑞宝章を受章しています。

主な経歴を以下にまとめます。

1849年：薩摩藩士・佐藤夢介の三男として生まれる
1870年：菅井誠貫の養子となる
1877年：警視庁警部として西郷隆盛らの動向探索中に私学校党に捕えられる
熊本県書記官、宮城県警部長、神奈川県警部長などを歴任
1893年：三池集治監典獄に就任
1899年：愛知県書記官に転任
警視庁警視・総監官房主事を務める
1902年：栃木県知事に就任
1904年：愛媛県知事に転任
私立獣医学校長を務める
1903年：正五位
1906年：勲三等瑞宝章

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