菅原院天満宮神社

菅原院天満宮神社：菅原道真公ゆかりの地を訪ねて

京都市上京区、烏丸通下立売に位置する菅原院天満宮神社は、平安時代の偉人、菅原道真公にゆかりの深い神社です。通称「烏丸の天神さん」として親しまれ、菅公聖蹟二十五拝の第一番札所にも指定されています。旧社格は村社で、菅原道真公だけでなく、その父・是善、祖父・清公も祀られています。

歴史：道真公誕生の地と、幾多の変遷

神社の所在する地は、菅原清公から道真の孫子三代にわたる邸宅であった菅原院の跡地と伝えられています。道真公が誕生した地であるという言い伝えも残る由緒ある場所です。道真公が左遷された後、都で起こった数々の異変を受け、道真公とその父祖の霊を慰めるために、菅原院跡地には歓喜寺が建立されました。その境内に、道真公と父祖を祀る小祠が造営されたことが、この神社の始まりです。

その後、歓喜寺は移転し、現在の錦天満宮へと繋がります。菅原院跡地には歓喜寺の殿舎が残されており、それを利用して新たな社殿が造営され、道真公を祀る神社として創建されました。明治時代には村社に列せられました。

現在では、神社の正面には烏丸通を挟んで京都御苑の下立売御門があり、境内からは御苑の緑を望むことができます。また、この神社は京都御苑内にある厳島神社も兼帯しています。

境内：歴史と自然が調和する空間

境内には、本殿、拝所をはじめ、数々の見どころがあります。特に注目すべきは、菅原道真公の産湯に使われたと伝わる「菅公御産湯の井戸」です。平成22年（2010年）に改めて採掘され、地下水が湧き出ており、参拝者は給水所からその水を飲むことができます。

その他、珍しい地蔵菩薩を祭神とする地蔵社や、梅丸大神、和融稲荷を祀る合祀社、菅公御遺愛の石灯籠など、歴史を感じさせる遺構や造作が数多く残されています。さらに、戸隠大神、九頭龍大神を祀る合祀社もあります。

アクセスと周辺情報

菅原院天満宮神社へのアクセスは、京都市営地下鉄烏丸線丸太町駅から徒歩約5分と便利です。周辺には京都御苑が広がり、静かで落ち着いた雰囲気の中で、歴史と自然を満喫できます。菅公聖蹟二十五拝では2番目の錦天満宮、洛陽天満宮二十五社順拝では7番目の札所にもなっています。近隣には、歓喜寺（現在は歓喜光寺）など、関連する史跡も点在しています。

まとめ：静寂の中に息づく歴史

菅原院天満宮神社は、歴史と自然が調和した静かな空間です。菅原道真公ゆかりの地としてだけでなく、歴史に興味のある方、静かな場所で癒されたい方にもおすすめです。京都を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。道真公の霊を偲び、歴史に思いを馳せることができる、貴重な場所となっています。

もう一度検索