菅谷北斗星

菅谷 北斗星（すがや ほくとせい）

菅谷北斗星は、将棋観戦記者として日本における先駆者の一人です。本名は菅谷要で、1895年11月27日に栃木県栃木市で生まれました。彼の生涯は将棋と深く結びついており、その影響力は今なお多くのファンに認められています。

経歴と人物像

菅谷は栃木県立栃木中学校を卒業後、慶應義塾大学に入学しましたが、中退。その後、早稲田大学の英文科を卒業し、早い段階で文藝への情熱を抱くようになりました。彼の将棋との出会いは、作家の菊池寛の紹介がきっかけで、大崎熊雄の助手として将棋観戦の分野に足を踏み入れることになりました。

1927年に読売新聞に入社し、将棋観戦専門の記者としてそのキャリアをスタートさせます。このとき、彼は筆名「北斗星」を採用し、その名のもとに多くの観戦記や随筆を執筆しました。特に1937年に行われた坂田三吉と木村義雄の京都南禅寺での対局は、彼の筆力が冴え渡った瞬間として知られています。

また、将棋史研究にも積極的に取り組んでおり、その成果として多くの関連エッセイを発表しています。彼の観戦記は詳細な記述と深い洞察に満ちており、将棋ファンにとって貴重な資料とされています。

著書

菅谷北斗星は多くの著書を残しており、彼の知識と情熱は書籍を通じて広がっています。以下は彼の代表的な著作です：

• - 将棋の話（誠文堂、1930）
• - 棋道秘話（編著：千倉書房、1933）
• - 将棋相談（共著：千倉書房、1934）
• - 棋道清談（著：千代田書院、1935）
• - 将棋の指し方（共著：博文館、1935）
• - 新将棋戦略（著：千倉書房、1935）
• - 坂田将棋・近代将棋争覇録（千倉書房、1937）
• - 将棋つれづれ草（三学書房、1940）
• - 将棋陣太鼓（要書房、1952）
• - 代表的棋譜を中心にした将棋の知識（著：学風書院、1955）
• - 将棋五十年（著：時事通信社、1955）
• - 菅谷北斗星選集 観戦記篇（日本将棋連盟、1979）
• - 菅谷北斗星選集 秘録篇（日本将棋連盟、1978）

これらの著書は、将棋の技術や戦略はもちろん、観戦の楽しさを伝える貴重な資料となっています。

菅谷北斗星は1962年1月21日に亡くなりましたが、彼の遺した言葉や業績は、今も将棋界で語り継がれています。将棋観戦記の草分けとしての彼の功績は、将棋の魅力を広めるうえで欠かせないものといえるでしょう。

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