菅野ダム

菅野ダム（すがのダム）

菅野ダムは、山口県周南市中須北、二級水系である錦川の本川上流部に建設された多目的ダムです。山口県内では阿武川ダムに次ぐ規模を誇ります。

建設の経緯

錦川水系では、1940年（昭和15年）に建設された向道ダムが周南地域への工業用水道の水源としての役割を担ってきました。しかし、戦後の工業用水需要の急増に対応するため、そして周南地域への上水道用水の供給を目的として、錦川総合開発事業が策定され、新たに菅野ダムが建設されることになりました。

建設にあたっては、328ヘクタールもの広大な用地が取得され、163戸の家屋移転が生じました。これにより、当時の都濃郡中須村菅野の集落が水没することとなり、この集落の名前をダムの名前に残すこととなりました。

近年の状況

現時点では錦川の最下流にあるダムであることから、近年では錦川水系の治水目的の方がより重要視されています。工業用水は渇水期には自主節水を迫られる状況となっています。こうした状況を受け、現在、下流の岩国市錦町に洪水調節を主目的とした平瀬ダムの建設が進められています。

2005年（平成17年）の台風14号による集中豪雨に伴い、下流の岩国市川西地区や岩国市藤河地区、岩国市美川町南桑地区で冠水被害が発生しました。この事態を踏まえ、菅野ダムでは事前放流により緊急時の洪水調節容量を確保するための計画変更が行われました。

ダム周辺

ダム周辺には以下の道路が通っています。

国道434号（菅野ダムの天端を通過）
山口県道8号徳山光線
山口県道41号下松鹿野線

関連事項

ダム
日本のダム - 日本のダム一覧
重力式コンクリートダム - 日本の重力式ダム一覧
多目的ダム - 日本の多目的ダム一覧
都道府県営ダム
人造湖 - 日本の人造湖一覧
河川総合開発事業
向道ダム
平瀬ダム

外部リンク

山口県河川開発課 菅野ダムの紹介
ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 菅野ダム

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