菊池盛登

菊池盛登は、1898年（明治31年）7月に生まれ、1961年（昭和36年）5月2日に亡くなった、日本の内務・警察官僚です。旧姓は河野で、大分県出身の河野円吉の次男として生まれました。後に菊池要六の養子となっています。

学歴としては、第七高等学校造士館を卒業後、1923年12月に高等試験行政科試験に合格。1924年には東京帝国大学法学部政治学科を卒業しています。卒業後、内務省に入省し、高知県属としてキャリアをスタートさせました。

その後、地方警視として佐賀県警察部、長野県警察部、大阪府警察部で勤務し、警察官僚としての経験を積みました。さらに、宮崎県書記官・警察部長、山口県書記官・警察部長といった要職を歴任。中央では、警視庁総務部長、同特別高等警察部長などを務めました。

1943年7月には滋賀県知事に就任。戦時下における食糧対策として、琵琶湖周辺の干拓事業を推進しました。この事業は、戦時中の食糧増産に貢献したとされています。1945年4月には静岡県知事に転任し、終戦を迎えました。

終戦後の1945年9月には禁衛府次長に転じ、1946年1月には長官に昇進しましたが、同年4月に禁衛府が廃止されたため、退官しています。その後、公職追放となり、官僚としてのキャリアを終えました。退官後は、大阪国際見本市の幹事を務めました。

菊池盛登は、激動の時代を生き抜き、内務・警察官僚として地方行政や警察行政に携わった人物です。特に、戦時下の食糧対策においては、県知事としてその手腕を発揮しました。その生涯は、日本の近代史における官僚の役割を考える上で重要な事例と言えるでしょう。

参考文献
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

もう一度検索