華厳寺 (京都市)

華厳寺（鈴虫寺）: 京都の癒しと幸福を呼ぶ寺院

京都府京都市西京区に位置する華厳寺は、臨済宗の寺院であり、その独特の取り組みから「鈴虫寺」の愛称で親しまれています。山号は妙徳山、本尊は大日如来です。

歴史と創建

華厳寺の起源は享保8年（1723年）にまで遡ります。学僧として名高い鳳潭によって創建され、当初は華厳宗の寺院でしたが、慶応4年（1868年）に慶厳が入寺し、臨済宗に改宗されました。現在の寺域は、平安時代末期に源義家の後裔である延朗上人によって建立された最福寺の旧地と伝えられています。最福寺の遺構として、華厳寺の東方には「谷ヶ堂」と呼ばれる小さな堂宇が残されています。

鈴虫と参拝者への配慮

華厳寺を特徴づけているのは、何と言っても一年を通して飼育されている数万匹の鈴虫です。先代住職が鈴虫の音色に禅の悟りの境地を見出し、飼育を始めたのが始まりとされています。年間を通して鈴虫の飼育を続けるためには、卵から成虫までの温度管理など、多くの試行錯誤と努力が必要でした。

特に1977年、近隣にある西芳寺（苔寺）が完全予約制に移行したことで、華厳寺は参拝者数の減少を危惧しました。寺宝などに恵まれていない華厳寺にとって、大きな打撃となる可能性がありました。この状況を打開すべく、華厳寺は積極的な参拝者招致策を展開することにしました。その中心となったのが、鈴虫の飼育と、参拝者への温かいもてなしです。

境内と魅力

境内には、様々な種類の竹を集めた風情豊かな庭園があります。また、「幸福地蔵」として知られるわらじを履いた地蔵尊があり、参拝者は願い事を一つだけ叶えることができると言われています。さらに、僧侶による鈴虫を聞きながらの説法と、心温まる茶菓のもてなしは、多くの参拝者を魅了する華厳寺の大きな魅力となっています。

鈴虫説法は、大広間で行われ、約30分間の説法と鈴虫の音色に癒される時間です。週末やシーズン中は、多くの参拝客が訪れるため、入場待ち時間が発生することもあります。公式ホームページでは、混雑状況の予想も発表されているので、事前に確認することをお勧めします。

アクセス

華厳寺へのアクセスは、阪急嵐山線松尾大社駅から徒歩20分、または京都バス「苔寺・すず虫寺」停留所下車すぐです。JR・近鉄京都駅、阪急京都河原町駅、京阪三条駅からバスを利用することも可能です。また、約70台の無料駐車場があり、周辺には有料駐車場も完備されています。

まとめ

華厳寺は、鈴虫の音色、幸福地蔵、そして温かいもてなしによって、多くの参拝者から愛されている寺院です。四季折々の自然と、穏やかな時間を求める人々にとって、心癒される場所と言えるでしょう。京都を訪れた際には、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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