華渓寺

華渓寺（かけいじ）

華渓寺は、岐阜県大垣市曽根町にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は曹源山です。この寺院は、約450年前に創建され、長い歴史と豊かな文化的遺産を持っています。

歴史

華渓寺の創建は天正4年（1576年）に遡ります。この寺院は、当時の曽根城の城主であった稲葉一鉄（良通）の母の菩提寺として建立されました。寺号は、稲葉の母親の戒名「華渓寺殿涼臺宗薫大禅定尼」に由来しています。初代の住持は南化玄興であったとされています。

創建後の華渓寺は一時期衰退し、無住である時期もありました。しかし、寛文7年（1667年）には地元住民によって草庵が再建され、同年に勢州古川村の龍津寺から合湛首座が住持として迎えられました。そして、1668年には妙心寺の末寺となりました。また、17世紀後半には、稲津家の当主である種正によって佛鑑和尚が中興開山として招かれ、華渓寺は見事に再興を遂げました。

なお、稲津家は幕末の勤王の志士であり、著名な漢詩人の梁川星巌（やながわせいがん）を輩出した家系でもあります。星巌は華渓寺で学問を学び、その大叔父である太隨和尚から指導を受けたとされています。

その後、享保19年（1734年）には、地域の大水害に対処するため、廃城となっていた曽根城の本丸跡に華渓寺が移築されました。1987年には、稲葉一鉄の400年遠忌を記念して、一鉄とその母の墓が建立されました。

現在、華渓寺の境内には梁川星巌記念館があり、その館内では星巌に関する貴重な資料や、華渓寺や曽根城に関する展示が行われています。入館は無料で、開館時間は季節によって異なりますが、通常は朝8時から夕方5時までです。

文化財と史跡

華渓寺が位置している曽根城跡は、大垣市の重要な史跡として指定されています。また、華渓寺にはいくつかの文化財が収蔵されており、特に以下のものが大垣市の重要文化財に指定されています：

• - 能面翁（伝日光作）
• - 梁川星巌の七絶「吉野懐古」
• - 梁川星巌の詫状及び起請文
• - 庚申像

これらの文化財は、地域の歴史を深く理解するための貴重な資料となっています。特に能面や詩文は、当時の文化や価値観を伝えるものであり、訪れる人々に深い感動を与えています。

アクセス

華渓寺へは、JR東海道線の大垣駅からタクシーで約15分、または東海環状自動車道の大垣西インターチェンジから車で約15分でアクセス可能です。この便利な交通の便は、訪れるゲストにとって非常に魅力的です。

華渓寺はただの寺院ではなく、歴史の息吹が感じられる特別な場所です。その豊かな文化遺産や静寂な境内は、訪れる人々に安らぎと学びを与えてくれることでしょう。

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