菰田万一郎

菰田万一郎（こもだ まんいちろう）

生涯

菰田万一郎は、1882年（明治15年）11月9日に長野県小県郡当郷（現在の青木村）で生まれました。旧姓は早川。彼は教育者として、明治から昭和にかけての激動の時代を駆け抜けました。

教育者としての足跡

長野県尋常中学校上田支校（後の上田中学校、現在の長野県上田高等学校）で学び、その後、松本本校（現在の長野県松本深志高等学校）へと進みました。旧制浦和高等学校、そして東京帝国大学哲学科を卒業。同級生には五島慶太がいました。卒業後、千葉県夷隅郡中川村の菰田家の養子となります。

教員としてのキャリアは、東京府立第二中学、旧制山口高等学校から始まりました。1928年（昭和3年）には文部省に入省。学務局事務官、学生課長、調査課長を歴任し、教育行政の中枢を担いました。

その後、旧制松江高等学校、旧制第四高等学校で校長を務め、教育現場の第一線で活躍しました。教育者としての情熱と手腕を発揮し、多くの学生を育成しました。

思想と著作

菰田万一郎は、教育者としての活動の傍ら、著述活動にも力を注ぎました。彼の著書は、当時の社会情勢や思想を反映し、実業道徳や倫理思想について考察を深めたものが多くあります。

『現今の実業道徳』（岩波書店、1919年）
『最近倫理思潮』（博文館、1926年）
『思想と自己創造』（東洋図書、1929年）
『実業道徳精義』（東洋図書、1930年）
『建国明治・大正・昭和勅語詔書精義』（東洋図書、1930年）

これらの著作を通して、彼は教育のあるべき姿、社会における個人の役割、そして道徳の重要性を説きました。彼の思想は、後世の教育に大きな影響を与え、今日でもその価値は失われていません。

晩年

菰田万一郎は、1939年（昭和14年）3月6日にこの世を去りました。彼の教育への情熱と、社会に対する貢献は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

参考文献

『長野県歴史人物大事典』（郷土出版社、1989年）

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