萩原寺

萩原寺の紹介

香川県観音寺市大野原町に位置する萩原寺（はぎわらじ）は、真言宗大覚寺派の別格本山として知られています。この寺院は巨鼇山（きょごうざん）、または地蔵院（じぞういん）としても知られ、本尊は伽羅陀山火伏地蔵菩薩です。また、四国別格二十霊場の16番札所であり、四国三十六不動尊霊場の28番札所としても重要視されています。さらに、四国讃州七福之寺辨財天の一つとしての役割も担っています。

本尊には「おん かかかびさんまえい そわか」という真言が捧げられており、御詠歌として「尊くも 火伏をちかふ 地蔵尊 はぎの御山に 世を救ふらむ」が詠まれています。

境内の特徴

萩原寺は、香川県内有数の萩の名所としても知られ、境内に24種類、約2000株もの萩の植えられています。これにより、9月中旬から下旬にかけて満開の萩を見ることができます。この時期には、寺院を中心に周辺の萩の丘公園や雲辺寺ロープウェイといった他の会場で「萩まつり」が行われます。本堂では琴の演奏会が催され、本堂前広場では茶会が開かれ、多くの参拝客で賑わいます。

寺の創建は平安時代初期にさかのぼり、大同2年（807年）に弘法大師こと空海によって建立されたと伝えられています。当時、空海は千手観音と地蔵菩薩の二体を刻み、それぞれの寺院に安置したとされています。約100年後、延喜3年（903年）には醍醐天皇から勅旨談義所となり、その後も朱雀天皇から讃州四箇談義所の一寺となるなど、歴史的にも意義のある場所として発展してきました。

文化財と建築

萩原寺には美しい建築物が点在しており、本堂や仁王門、大師堂、稲荷社などがあります。本堂は享保8年（1723年）に建てられ、幾度かの改修を経て今日に至ります。特に大師堂には不動明王の立像が中央に、左右には宝剣大師像と聖観音坐像が安置されています。また、境内には重要文化財として国に指定された書や曼荼羅図も所蔵されています。

登録有形文化財に指定されている建物も多く、仁王門や鐘楼、南門などが見られます。仁王門は17世紀初頭に建造され、江戸時代の初期の様式を今に伝えています。また、境内には萩原寺の名物であるハギが指定された香川県の自然記念物としても知られています。

結び

文化的、歴史的な価値を持つ萩原寺は、訪れる人々にとって魅力的なスポットであり、特に萩のシーズンには多くの観光客が訪れます。美しい自然とともに、寺院の歴史を感じることができる場所であり、四国を巡る際には是非訪問したい場所です。

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