萩原頼平

萩原 頼平

萩原頼平（はぎわららいへい）は、1878年8月20日に山梨県で生まれ、1951年1月22日に亡くなった郷土史家です。彼の号は頼哉であり、生涯にわたって山梨県の歴史や文化に関する研究を行い、多くの著作を残しました。特に甲斐志料集成の刊行を中心に、多くの郷土資料の保存と発表に尽力しました。

略歴

彼は山梨県東山梨郡平等村落合（現・山梨市）に生まれました。卒業後は教員資格を取得し、日下部小学校、平等小学校（現在の山梨市立山梨小学校）や富士川小学校（現・甲府市立善誘館小学校）に勤務しました。教職を辞した後、1920年に山梨県教育会附属図書館で働き、1932年には退職しました。その後、郷土史の研究に本格的に取り組み始めました。

甲斐志料集成の発刊

彼は1932年3月に甲斐志料刊行会を創設し、山梨県に関する貴重な資料を集めた『甲斐志料集成』を発刊しました。この全12巻からなるシリーズは、古文書や未刊の史料を詳しく集め、昭和7年10月から昭和10年9月までの間に順次発行されました。各巻の内容は幅広く、日記や紀行、地理、国志、歴史、教育、宗教などを含む多岐にわたるものであり、特に地域の歴史を記録した重要な文献とされています。

『地歴の甲斐』の発行

彼の研究に対する情熱は、郷土研究専門誌『地歴の甲斐』の創刊にも表れています。「山梨県における郷土研究の専門雑誌がないのは学界の恥辱である」との思いから、1935年に創刊しました。この雑誌は、約2年間にわたり12冊が発刊されましたが、1940年には休刊を余儀なくされ、以降復刊されることはありませんでした。

頼生文庫

萩原が生前に集めた古文書や資料は、1952年に山梨県立図書館に収蔵され、「頼生文庫」と名付けられました。この文庫には、享保元年から安政2年までの記録や、甲州の俳人により作成された俳諧書など、歴史的に価値のある資料が多数保存されています。

著作

萩原頼平は数多くの著作を残しており、以下に代表的なものを挙げます：

• - 『甲斐の国学者萩原元克』(大正15年)
• - 『郷土趣味 甲斐読本』(昭和3年)
• - 『承久の役と源有雅卿』(昭和4年)
• - 『郷土趣味 甲斐読本 上巻・下巻』(昭和6年)
• - 『甲斐郷土史年表』(昭和6年)
• - 『甲斐旅行案内』(昭和6年)
• - 『波々曽能茂里』(昭和8年)
• - 『甲州法度之次第解 全』(昭和11年)
• - 『郷土戦史 中牧城と大野砦』(昭和16年)

まとめ

萩原頼平の功績は、山梨県における郷土史研究の発展に大いに寄与しました。彼が残した資料や著作は、今でも多くの研究者にとって貴重な資源となっています。彼の情熱と努力により、山梨の歴史や文化を理解するための道筋が開かれました。

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