萩生寺

萩生寺：新居浜市の高野山真言宗の寺院

愛媛県新居浜市萩生に建つ萩生寺は、高野山真言宗に属する寺院で、地元の人々からは「南の坊」と親しまれています。この寺院の本尊は秘仏の聖観音菩薩であり、新四国曼荼羅霊場の第三十番札所としても知られています。寺のすぐ西には「北の坊」と呼ばれる仏光山阿弥陀寺があります。さらに、萩生寺は御詠歌に「大楽を　願わば詣れ　観世音　御手の蓮華に　我を悟らん」があることで、信仰の深さを感じさせます。

歴史的背景

萩生寺は、建久年間（1190-1199）に後鳥羽上皇の勅願により創建されました。本尊は快慶作と伝えられ、創立者である萩生治郎丸本田によって設立されました。しかし、天正13年に兵火の影響で焼失してしまいます。その後、慶長年間に現在の場所にて再建されました。現在の本堂は弘法大師の入定1150年を記念して建設され、地下にはインドの四大仏跡や西国霊場、四国八十八ヶ所のお砂踏み霊場があります。これは、信者にとって特別な場であり、深い信仰心を抱く人々の訪問が続いています。

境内の特徴

境内には、いくつかの重要な構造物があります：

• - 山門（鐘楼門）：寺の入口として訪問者を迎えます。
• - 本堂：主な信仰の場。
• - チベット式佛塔ナムゲル・チユ-ルテン：この仏塔は、ダライ・ラマ法王十四世が2009年11月に開眼供養を行ったもので、特別な意義があります。
• - 両面大師（お御影と秘鍵大師）の石造：信仰の象徴として、境内の一部を占めています。
• - 金比羅堂：参拝者が訪れる可能性のあるスポットです。
• - 地蔵堂：伊予六地蔵霊場の4番目の札所で、金剛幢地蔵尊が安置されています。室町時代から伝わっており、「ぼけ封じ地蔵」として親しまれてきました。
• - 檀信徒会館：信者たちが集まる場所です。

また、宿坊は設置されておらず、駐車場は普通車約50台、大型バスは国道に駐車して徒歩10分の位置に設けられています。

飛び地境内

本寺の山門から東へ約100mほど進むと、飛び地境内があります。このエリアの住所は新居浜市萩生801番地で、こちらには大師泉堂があります。

文化財

萩生寺には貴重な文化財も数多くあります。木造聖観世音菩薩立像は新居浜市指定の有形文化財であり、昭和52年4月7日に指定されています。また、大師泉のオオバタネツケバナは市の指定天然記念物で、同じく昭和52年に認定されました。さらに、大師泉縄文遺跡も市の指定史跡として、文化財保護のために重要な役割を果たしています。

札所のつながり

萩生寺は新四国曼荼羅霊場の一部であり、前後には29番の明正寺、31番の王至森寺があります。このように、萩生寺は信仰の路線を形成する一つの大切な拠点とされています。信者や観光客にとって、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

この豊かな歴史と重要な文化財を有する萩生寺は、訪れる人々に深い感動を与えてくれることでしょう。

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