萬代橋ライン

萬代橋ラインについて

萬代橋ラインは、新潟県新潟市中央区の新潟駅万代口から西区の青山を結ぶ、新潟交通が運行するバス路線です。この路線は、新潟市が主体となって進める「にいがた新バスシステム」の基幹路線として、2015年9月5日に運行を開始しました。

概要

萬代橋ラインは、新潟駅万代口を起点とし、万代シテイ、古町、新潟市役所、白山公園などを経由して、イオン新潟青山店付近に至ります。この路線は、新潟市の都心部を縦断し、信濃川に架かる萬代橋を通ることから「萬代橋ライン」と名付けられました。路線には、トータルデザインが導入されており、停留所や車両、案内サインに統一感があります。開業当初は「BRT」のロゴが使用されていましたが、2024年3月までに「BUS」に変更されました。

にいがた新バスシステム

萬代橋ラインは、新潟市が導入した「にいがた新バスシステム」の中核をなす路線です。このシステムは、従来のバス路線の重複や非効率さを解消し、持続可能な公共交通網を構築することを目的としています。新バスシステムでは、バス路線の再編・集約が行われ、余剰となった輸送力を郊外路線の維持や拡充に活用しています。

新バスシステムの導入に際しては、案内機能や交通結節点の整備が行われ、ゾーンバスの輸送体系が実現しました。また、基幹路線である萬代橋ラインには、輸送力確保のため連節バスが導入されました。これらの取り組みにより、利用者数の減少と郊外路線の減便という悪循環から脱却し、市全体としてバス利用者の増加につながっています。この功績が認められ、日本モビリティ・マネジメント会議（JCOMM）マネジメント賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。

設備面では、バスロケーションシステムが導入され、主要な停留所ではデジタルサイネージによる案内が行われています。また、市役所前のバスロータリーには、ICカードチャージ機や自動販売機が設置されています。青山バス停の近くにあるイオン新潟青山店には、バスインフォメーションが設けられ、バス利用者の待合スペースとして利用されています。

導入の経緯

中心部のバス路線網の問題点

従来の新潟市中心部のバス路線は、新潟駅前 - 市役所前間を中心に路線が重複し、運行体系が複雑で非効率な状態でした。これにより、同じ方面のバスが連なって発着する「団子運転」や、運行間隔が過度に開く「間引き運転」が発生していました。また、バス停の位置が複雑で利用者が戸惑うこともありました。

新たな交通システム計画との一元化

新潟市では、自家用車に頼らずに移動しやすい交通環境を整備するため、BRT、LRT、小型モノレールなどの導入を検討しました。その結果、整備費が比較的低く、既存の都市設備を活用できるBRTが採用されました。その後、新潟交通が運行事業者として選定され、BRT事業はバス路線網の再編と合わせて一元的に実施されることになりました。

整備区間の変更

当初の計画では、新潟駅前 - 白山駅前間を整備する予定でしたが、白山駅前のスペースが狭く、バスの発着に支障が出る可能性があるため、イオン新潟青山店付近まで延伸されました。この区間は、西新潟方面への複数のバス路線と重複しており、慢性的な交通渋滞が発生していました。また、この区間は、かつて存在した新潟交通電車線の跡地とも一部重なっています。

「にいがた新バスシステム」開業

2015年9月5日の開業に合わせて、新潟市内のバス路線が大幅に再編されました。萬代橋ラインと並行していた路線は、ほぼ全便が青山発着となり、東新潟方面の路線は、新潟駅万代口または万代シテイバスセンター発着に統一されました。これにより、鉄道との乗り継ぎが便利になり、古町や市役所方面へのアクセスが向上しました。しかし、路線再編により乗り換えが必要になった地域からは不満の声も上がりました。

走行方式について

当初、中央区中心部には専用走行路と停留所を設置する計画でしたが、道路交通への影響や安全確保、信号処理などの問題から見送られました。BRT導入当初は専用走行路を設ける計画があったものの、実現には至らず、既存の道路をそのまま使用する形となりました。これにより、BRTの定義から外れることになり、BRTという呼称も廃止されました。

運行形態

萬代橋ラインの運行間隔は、平日朝夕は3-5分間隔、昼間は10分間隔、土日祝日は終日10分間隔です。また、早朝や深夜は15-30分間隔で運行しています。大部分の便は新潟駅前と青山の間を運行しますが、一部の便は青山周辺を循環したり、西部営業所を発着したりします。

運行系統

萬代橋ラインには、以下の4つの運行系統があります。

B10 新潟駅前 - 青山（各停）
B10快 新潟駅前 - 青山（快速）
B11 新潟駅前 - 青山 - 青山本村 - 青山一丁目（青山周辺循環）
B13 新潟駅前 - 青山 - 青山本村 - 西部営業所

停留所

萬代橋ラインの停留所には、停留所番号が付与されています。また、萬代橋ライン用の表示板は、ラインカラーのレッドを使用しており、他の路線と区別しやすくなっています。

乗換路線・乗継割引

新バスシステムでは、乗り継ぎ割引サービスが提供されています。萬代橋ラインと他の路線を60分以内に乗り換えると、運賃が割引されます。このサービスを利用するには、新潟交通のICカード「りゅーと」が必要です。また、乗り継ぎ割引を反映した運賃を検索できる「にいがたバス乗換案内サイト」が導入されています。

並行路線

萬代橋ラインと並行する路線は多数あります。新潟駅前 - 古町間では、C2 浜浦町線が並行しています。新潟駅前 - 市役所前間では、C3 信濃町線、W1 有明線、W2 西小針線などが並行しています。

車両

萬代橋ラインでは、連節バス「ツインくる」4台と、一般バス約30台が運行しています。連節バスは主に快速便で使用され、一般バスには情報案内用のモニターが設置されています。当初の計画では連節バスを8台導入する予定でしたが、4台に減らされています。

利用状況

2018年5月の利用者数は、1日あたり約9,222人でした。1便あたりの平均利用者数は34.2人で、新潟交通では3番目に多い路線となっています。

問題点

乗り換えの負担

新バスシステムの導入により、乗り換えが必要になったケースが増えたため、一部の利用者から不満が出ています。また、乗り継ぎ割引制度の周知不足も問題点として指摘されています。青山の乗換拠点が暫定的な整備であることも、不便さを感じる要因の一つとなっています。

年間走行距離の維持困難問題

新潟交通では、運転手不足の影響で運行本数を減便せざるを得ない状況が続いています。また、新型コロナウイルスの影響で利用者数が減少しており、路線の維持が困難になっています。新潟市は、運転手不足の状況に一定の理解を示しつつ、路線の維持に努めていく方針を示しています。

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