萱野浩二

萱野浩二調教師：300勝達成までの軌跡

萱野浩二調教師は、1960年2月28日東京都生まれの元調教助手です。1986年、美浦トレーニングセンターの奥平真治厩舎で調教助手としてキャリアをスタートさせました。奥平調教師は当時を振り返り、萱野氏の真面目でおとなしい人柄を語っています。

1997年に調教師免許を取得し、1998年に厩舎を開業。同年3月、中山競馬場での初出走を果たします。そして4月、ラカンで初勝利を挙げ、華々しいデビューを飾りました。ラカンはその後、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスにも出走し、重賞競走への道を歩み始めました。

開業当初は出走頭数も少なく、初年度は7勝に留まりましたが、2年目には9勝、3年目には12勝と着実に勝利数を伸ばしていきます。1999年には中山大障害にリンデンバウムを送り込み、J・GI競走初出走を果たしました。

2001年には、桜花賞にマイネカプリースを送り込みGI競走初出走。5着と健闘しました。2002年には、ニシノハナグルマのデビュー戦を勝利で飾ります。全くの伏兵からの勝利に、関係者を驚かせました。その後、アネモネステークス、ミモザ賞と惜しくも4着に終わりますが、フローラステークスで重賞初勝利を挙げます。この勝利は、萱野調教師にとっても、騎乗した左海誠二騎手にとっても中央競馬初勝利となりました。

ニシノハナグルマはその後も活躍を続け、浦和記念では中央勢最先着の3着と健闘しました。その末脚は古馬相手に互角以上の実力を見せつけました。2003年には自己最多となる20勝を挙げ、順調に勝ち星を重ねていきます。

2009年にはマイネルファルケがマイルチャンピオンシップで14番人気ながら、ゴール前まで逃げ粘る大波乱を演出しました。2010年にはマイル戦線での活躍が期待されましたが、京都金杯、東京新聞杯では惜しくも勝利を逃しました。ダービー卿チャレンジトロフィーでは2着と健闘するものの、安田記念では大敗を喫するなど、波乱のシーズンとなりました。

2012年には、通算200勝を達成。2016年にはトウショウドラフタがファルコンステークスを制し、萱野調教師は14年ぶりの重賞制覇を飾りました。トウショウドラフタは、決して乗りやすい馬ではありませんでしたが、田辺裕信騎手とのコンビで好成績を残しました。レースでは、田辺騎手の好判断が勝利に繋がりました。

萱野調教師は、大勢での食事中に脳梗塞で倒れたことがありましたが、同席者の中に脳梗塞の経験者や知識を持つ人がいたことで、迅速な対応を受け、一命を取り留めました。その後も現場に復帰し、活動を続けています。

2019年には、蕁麻疹による出走取消と、薬物投与に関する制裁を受けました。しかし、2021年6月には通算300勝を達成し、調教師としてのキャリアを着実に積み重ねています。

主な管理馬には、ニシノハナグルマ、トウショウドラフタ、ルミナスウォリアーなどがいます。厩舎には、横山賀一氏、増沢由貴子氏など多くの調教助手の方々が所属し、萱野調教師と共に日々のトレーニングに励んでいます。

萱野浩二調教師は、数々の困難を乗り越えながら、300勝という大きな目標を達成しました。その経験と実績から、今後の更なる活躍が期待されます。彼の指導の下、多くの競走馬が成長し、競馬界に貢献していくことでしょう。

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