萱野茂二風谷アイヌ資料館

萱野茂二風谷アイヌ資料館

萱野茂二風谷アイヌ資料館（かやのしげるにぶたにアイヌしりょうかん）は、北海道の沙流郡平取町二風谷に位置する博物館です。この施設は、アイヌ民族研究家であり参議院議員でもあった萱野茂が館長を務めていたことで知られています。現在の館長は彼の次男、萱野志朗です。

この資料館では、アイヌ民族に関連する貴重なコレクションが展示されています。個人のコレクションを基にした展示物は、多くのアイヌ民具や、世界各国の先住民族や少数民族の資料も含まれています。多様な文化を視覚的に体験できる場所であり、訪れる人にとって貴重な学びの場となっています。

おもな展示物

資料館の内部には、約600点のアイヌ民具が展示されています。これらはアイヌ民族の生活様式を反映するもので、伝統的な道具や工芸品が見られます。また、世界各地の先住民や少数民族に関する民具も約600点あり、さまざまな文化の違いや共通点を理解するのに役立ちます。

加えて、赫哲族の民俗や生活を描いた絵画も約50点展示されています。これにより、アイヌ民族だけでなく、他の民族の文化も紹介することで、訪れた人々に広範な視野を提供しています。

施設の外には復元されたチセ（伝統的なアイヌの家屋）があり、ここでアイヌの生活様式を直接体験することができます。さらに、金田一京助の歌碑や縁結び夫婦石といった文化史的な遺物も観覧できます。

所在地・開館時間

主な所在地は、北海道沙流郡平取町二風谷79番地です。開館は春から秋季の間で、開館時間は午前9時から午後4時30分までとなっています。特に休館日は設けられていませんが、冬季（12月から3月）は一時休館となります。この期間中に訪れる場合は、事前に館長との相談が必要です。

アクセス

資料館へのアクセスは、公共交通機関や自家用車の利用が可能です。バスの場合、JR富川駅から道南バスに乗り、約20分で到着します。自家用車を利用すると、JR富川駅から約25分の距離です。

その他の情報

萱野茂二風谷アイヌ資料館は、1972年に「二風谷アイヌ文化資料館」としてオープンしましたが、施設が手狭になったことから、展示物が平取町に寄贈され、1992年には平取町立二風谷アイヌ文化博物館が開業しました。また、「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」は国の重要有形民俗文化財に指定されています。

さらに、資料館内のチセは2012年8月9日に火災で全焼しましたが、その後の再建や展示内容の充実に向けた取り組みが続けられています。この博物館はアイヌ文化を身近に感じる貴重な施設であり、訪れる価値のある場所です。

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