葉適

葉適（しょう せき）は、南宋時代の儒学者・官僚であり、字は正則、号は水心と称しました。彼は紹興20年（1150年）に生まれ、嘉定16年1月26日（1223年2月27日）に生涯を閉じました。温州永嘉県出身であり、事功派永嘉学派の代表的な人物として知られています。

経歴

葉適は淳熙5年（1178年）に進士に及第し、官僚としての道を歩み始めました。地方官を歴任した後、太学正・太学博士となり、実録院検討官も務めました。紹熙年間には、知蘄州、淮西提挙常平、浙西提点刑獄などの要職を歴任し、その後尚書左選郎官に就任しました。紹熙5年（1194年）には、太上皇孝宗の崩御に際して国喪を行えなかった光宗を退位させる政変に加わりました。

しかし、慶元党禁が始まると、朱熹を弁護したという理由で弾劾を受けました。その後、嘉泰年間に湖南轉運判官・知泉州に復職し、政治の世界に再び足を踏み入れました。

開禧2年（1206年）には、吏部侍郎兼直学士院に起用され、北伐の詔書を草案しました。また、沿江制置使として建康に赴任し、翌年には江淮制置使に移って屯田と流民の安置を監督しました。しかし、北伐の失敗後、再び弾劾を受け都落ちすることになりました。嘉定4年（1211年）には、官爵と名誉を回復しましたが、政界には復帰せず、朝廷から下る祠禄（俸給）に頼って郷里での著述活動に専念しました。

嘉定16年（1223年）正月に病死。光禄大夫が追贈され、「文定」と諡られました。陳傅良などと共に永嘉学派の代表的人物であり、同時代の朱熹・陸九淵らとは異なり、その学問の特色は実用性や経済性を重視する点にありました。またすぐれた政治論の書き手としても知られ『水心文集』29巻が現存しています。日本の古義学派の伊藤仁斎にも影響を与えました。

学問的特色

葉適の学問は、単なる理論に留まらず、現実社会での応用を重視する点に特徴がありました。彼は、経済や政治の実践を通じて社会を改善することを目指し、その思想は多くの人々に影響を与えました。

著作

『水心文集』
『水心別集』
* 『習学記言序目』

これらの著作を通じて、葉適は自らの学問や思想を後世に伝えました。彼の業績は、今日においても高く評価されています。

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