葛 (春秋)

葛（かつ）は、古代中国において、夏（か）、殷（いん）、周（しゅう）の三つの王朝にまたがって存在した諸侯国です。その爵位は伯であり、約1800年という非常に長い期間にわたって歴史の中に存在し続けました。

夏王朝時代

夏王朝の時代、葛は嬴姓（えいせい）を名乗り、現在の河南省焦作市修武県（かしゅうぶけん）周辺に位置していました。この地には、葛伯城や葛伯墓といった遺跡が残されており、当時の様子を今に伝えています。しかし、葛は後に湯王（とうおう）によって滅ぼされることになります。この戦いは、湯王が夏王朝を滅ぼすための、いわば前哨戦としての意味合いが強かったとされています。

殷王朝以降の葛

湯王は葛を征服した後、君主であった葛伯を殺害しました。その後、別の人物を葛の君主として封じました。この出来事は、葛の歴史における大きな転換点となりました。春秋時代に入ると、葛は魯（ろ）の附庸国（ふようこく）となり、その後、宋（そう）によって滅ぼされ、その歴史に幕を閉じました。

また、『風俗通義』（ふうぞくつうぎ）という書物には、葛は「葛天氏（かってんし）の子孫である」との記述が見られます。さらに、賀葛氏（がかつし）が葛氏に改称したものであり、その出自は虜姓（りょせい）であるとも記されています。

葛は、中国古代史において、その長い存続期間と、夏王朝から周王朝に至るまでの変遷を語る上で重要な役割を果たした国の一つであると言えるでしょう。

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