葛栄

葛栄（かつ えい）

葛栄は、北魏末期の混乱期に反乱を起こした指導者である。

生涯

葛栄は懐朔鎮の鎮将であった。526年、鮮于修礼に従い定州で反乱に加わる。鮮于修礼が部下の裏切りによって殺害されると、葛栄は反乱軍の指揮権を掌握し、自ら天子を名乗り、国号を斉、元号を広安と定めた。

527年、葛栄は殷州、冀州を次々と攻略し、その勢力を拡大した。陽平では北魏の都督である源子邕と裴衍を破るなど、軍事的な才能も発揮した。

528年、葛栄は杜洛周を殺害し、その勢力を吸収。さらに滄州を攻略し、その勢いは頂点に達した。しかし、北魏の上党王元天穆らの反撃に遭い、徐々に劣勢となる。

同年7月、葛栄の配下の7人の王が高歓に降伏。同年9月、爾朱栄との滏口での決戦で葛栄は捕らえられ、洛陽へ送られ処刑された。

葛栄の乱の影響

葛栄の乱は、北魏の社会に大きな混乱をもたらし、その後の北魏の衰退を加速させる一因となった。また、この乱の中で頭角を現した高歓が、後の北斉を建国することになる。

参考文献

『魏書』巻9 粛宗紀第9
『魏書』巻10 孝荘紀第10
『北史』巻4 魏本紀第4
『北史』巻5 魏本紀第5

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