董荼那

董荼那（とうとな）について

董荼那は、古代中国における通俗歴史小説『三国志演義』に登場する架空の武将であり、読者に親しまれています。彼は一部の資料では董荼奴（とうとぬ）と呼ばれ、南征を行った諸葛亮の指揮下において重要な役割を果たします。特に、彼が統括していたのは第二洞であり、孟獲の部下の一人として知られています。

出撃と戦闘

董荼那は、5万の兵を率いて蜀軍に攻撃を仕掛けることになります。しかし彼の軍は、魏延をはじめとする蜀軍の計略によって、夜襲を受け、張嶷の捕虜になります。この出来事は彼を一時的に諸葛亮の元に送るきっかけとなり、その後、釈放されることになりました。

再出撃と撤退

だが、彼は孟獲の命令に従い、再度の出撃を余儀なくされ、ロ水を攻める命を受けます。そこで彼は、敵将馬岱に「恩知らずの将め」と罵倒される場面に直面します。この言葉が彼にとっては非常に恥ずかしいものであり、結果として撤退を選びます。しかし、この行動は孟獲の怒りを買い、彼に厳しい罰が与えられることとなります。

不満と反乱

その後、董荼那は次第に孟獲に対する不満を抱くようになります。軍の指揮官としての責任感や、彼自身の政治的な信念から、次第に独自の行動を取るようになります。ついには、孟獲を捕まえ、彼を諸葛亮に引き渡す決断をします。当初の忠誠心が遂に裏切られた形でした。

悲劇的な終局

しかし、孟獲は諸葛亮によって釈放されることになります。この出来事は、董荼那にとって非常に予期せぬ展開であり、彼の中にあった葛藤はいっそう深まります。そして、最期は僚友の阿会喃と共に、孟獲の手によって命を落とすという悲劇を迎えます。このことは、彼自身の選択や行動がどういった結果をもたらしたのかを考えさせられる結末と言えるでしょう。

董荼那の物語は、『三国志演義』の中における忠誠、裏切り、そして運命の波瀾を表現しており、彼のキャラクターは多くの読者に印象深いものとして残っています。

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