孟獲

孟獲とは

孟獲（もうかく）は、中国の三国時代に活躍した武将で、生没年は不詳ですが、南中の豪族として名を馳せました。『三国志演義』では南蛮の王として描かれていますが、実際には漢人であったとされています。彼が蜀漢に帰順するまでの彼の物語は、当時の政治的背景や戦闘の様相を鮮明に物語っています。

生涯

孟獲は建寧郡、現在の雲南省のエリアに住んでいたと考えられています。彼の名前は、基となる『三国志』の本文には登場せず、『華陽国志』や『三国志』の裴注に見られる数冊の文献に記されています。彼は、雍闓が蜀漢に対し反乱を起こした際、同盟し反乱を推進しました。雍闓の命により、南中の記述では現在の雲南省やその周辺地域に住む人々に対して、蜀漢に反抗するように説得する役割を果たしました。

建興3年（225年）、諸葛亮の南征が始まると、雍闓は内部分裂を起こし、敗北してしまいます。その結果、孟獲は指導者としての地位を引き継ぎ、諸葛亮の餌食となることになりました。彼は数度捕らえられながらも、毎回逃れました。これは、諸葛亮が単に武力で征服するのではなく、地元民を心から味方にするための方策とされています。

七縦七擒

孟獲は最初に捕らえられた際、諸葛亮の軍の陣形をほとんど理解していなかったために敗北しました。しかし、その後戦いを重ねる中で、彼は自信を持ち、次回の戦いでは勝てると豪語しました。結果として、彼は七度も捕われながらも、ついには諸葛亮の天威を認め、蜀漢への帰順を誓います。この出来事は「七縦七擒」として知られています。

秋の9月、諸葛亮が滇池に達すると、南中の四郡はほぼ平定され、孟獲はその功績が認められ、御史中丞にまで昇格します。彼の推薦により、建寧郡の爨習や朱提郡からも若者が官吏に選ばれ、彼自身も名を馳せることになりました。さらに、孟獲は李恢や爨習と共に、建寧郡の名士として知られる存在となりました。

三国志演義での孟獲

小説『三国志演義』では、孟獲は南蛮の王として描かれています。物語は蜀の後主である劉禅が即位した後、魏の司馬懿が考案した蜀攻撃のための五つの道において、南蛮軍が蜀を攻める場面から始まります。しかし、諸葛亮の巧妙な戦略によって南蛮軍は退散することになります。孟獲は諸葛亮との戦闘を繰り広げ、何度も敗北を喫しながらも最終的には彼に心服します。

物語によれば、現地の少数民族の伝承では彼が不死の術を用いたと言われ、これもまた彼の神秘性を増す要因となっています。

その他の文化における孟獲

京劇『龍鳳巾』では、孟獲の娘である花鬘が登場し、彼女と関索（関羽の息子）との恋物語が描かれています。この設定は、彼の物語が後世まで語り継がれていることを示しています。

孟獲の物語は三国時代の歴史的背景だけではなく、その後の文化の中でも独自の位置を占めています。

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