蒲生神社

蒲生神社：学問と相撲の伝統が息づく宇都宮の社

栃木県宇都宮市塙田五丁目に鎮座する蒲生神社は、蒲生君平命を主祭神とする神社です。学問の神様としても崇敬を集め、地域の人々から大切にされています。境内には桜が咲き誇り、特に春の季節は美しい景観で訪れる人を魅了します。2003年には「桜咲く蒲生神社」として宇都宮百景にも選定されています。

由緒と歴史

蒲生神社の創建は、大正時代へと遡ります。1912年（大正元年）、蒲生君平命を祭神とする神社の建設が計画され、「蒲生会」という準備組織が結成されました。そして、1916年（大正5年）に社殿が完成。完成を祝うかのように、第27代横綱・栃木山守也氏から大鳥居が寄進されました。1930年（昭和5年）7月には鎮座祭が執り行われ、正式に創祀されました。その後、1935年には県社に昇格しています。

神社には、相撲界の歴史と深い繋がりがあります。1951年（昭和26年）には、宇都宮城跡から「日下開山初代横綱明石志賀之助碑」が移設されました。これは、当地出身とされる初代横綱明石志賀之助を顕彰するものです。更に、2007年（平成19年）には明石志賀之助の石像が建立され、その偉業を後世に伝えています。

奉納相撲と観月会

蒲生神社では、地域に根付いた様々な神事が行われています。その一つが「初代横綱明石志賀之助杯少年奉納相撲大会」です。2008年から開催されているこの大会は、栃木県内の幼稚園児や小中学生を対象とした少年相撲大会で、地域の子どもたちの健やかな成長を願う、温かい気持ちがあふれる行事となっています。

また、9月の十五夜には、今泉八坂神社と共催で「観月会」を開催しています。幻想的な月の光の下、神楽演奏や神楽舞が奉納され、神聖な雰囲気に包まれた夜となります。これらの行事は、神社と地域社会の繋がりを深める上で重要な役割を果たしています。

蒲生神社の魅力

蒲生神社は、学問の神様として、そして相撲の歴史と深く関わる神社として、地域の人々に愛されています。桜の美しい境内、地域に根付いた神事、歴史を感じさせる建造物など、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。宇都宮を訪れた際は、ぜひ足を運んで、その魅力を体感してみてください。神社の歴史や文化に触れることで、宇都宮の豊かな歴史と伝統の一端に触れることができるでしょう。

参考文献

* 『神社名鑑』、神社本庁、昭和38年

もう一度検索