蔚珍郡

蔚珍郡（ウルチンぐん）

蔚珍郡は、大韓民国慶尚北道北東部に位置し、日本海に面した郡です。南北に細長い地形をしており、北部の蔚珍邑と南部の平海邑が主要な市街地となっています。豊かな自然に恵まれ、海岸線や山間部には美しい景観が広がっています。

地理

蔚珍郡は、東に日本海を望み、海岸線は変化に富んでいます。内陸部は山地が広がっており、自然豊かな環境が特徴です。郡内には、王避川などの河川が流れ、農業用水や生活用水として利用されています。南北に長い地形のため、地域によって気候に差が見られます。

歴史

蔚珍郡の歴史は古く、三国時代には高句麗と新羅がこの地を巡って争奪を繰り広げました。その後、新羅の領土となり、統一新羅時代には蔚珍郡という行政単位が成立しました。

蔚珍郡の成立

もともと、現在の蔚珍郡の地域には、北の蔚珍と南の平海の2つの行政区画が存在していました。植民地時代に、これら2つの行政区画が統合され、現在の蔚珍郡の枠組みが形成されました。朝鮮王朝時代には、鬱陵島の管轄も平海郡守が行っていました。

近代

朝鮮王朝時代から植民地時代にかけて、蔚珍郡は江原道に属していましたが、1963年に慶尚北道へと編入されました。この所属変更により、蔚珍郡は現在の慶尚北道の一部となりました。

年表

三国時代：高句麗が于珍也郡（後の于伊郡）、平海に斤乙於県を設置。
505年：新羅が于珍（後の蔚珍）を支配。
757年：溟州に属し、蔚珍郡となる。
940年：高麗王朝が蔚珍県、平海県を設置。
1413年：朝鮮王朝が蔚珍県と平海郡を設置。
1895年：江陵府に属し、蔚珍郡・平海郡となる（二十三府制）。
1896年：江原道に属する。
1914年：郡面併合により、平海郡が蔚珍郡に編入。
1963年：江原道から慶尚北道に所属変更。
1979年：蔚珍面が蔚珍邑に昇格。
1980年：平海面が平海邑に昇格。
1986年：竹辺出張所が竹辺面に、厚浦出張所が厚浦面にそれぞれ昇格。
2015年：西面が金剛松面に、遠南面が梅花面にそれぞれ改称。
2022年：大規模な山火事が発生し、金剛松群落地が焼失。

気候

蔚珍郡は、四季がはっきりとした気候です。夏は高温多湿で、冬は寒く、降雪も見られます。過去の最高気温は37.0℃（1995年）、最低気温は-14.1℃（1981年）を記録しています。

行政

蔚珍郡の郡庁は、蔚珍邑邑内里に所在します。郡内には、警察署や消防署などの公共機関も整備されています。

警察

蔚珍警察署

消防

蔚珍消防署

特産物

蔚珍郡は、豊かな自然の中で育まれた特産品が数多くあります。

ウルチンマツ（울진소나무）：郡の木に指定されており、天然記念物にもなっています。
姑浦ワカメ：リアス式海岸で育まれた良質なワカメです。
蔚珍ズワイガニ：日本海で水揚げされる新鮮なズワイガニです。
松茸：秋には香りの良い松茸が採れます。

観光

蔚珍郡には、自然や歴史に触れられる観光スポットが点在しています。

望洋亭：海を一望できる絶景スポットです。
越松亭：美しい松林の中に佇む東屋です。
蔚珍鳳坪新羅碑：新羅時代の歴史を伝える貴重な石碑です。
蓮湖亭：蓮の花が咲き誇る美しい池のほとりにある東屋です。
聖留窟：神秘的な鍾乳洞です。
王避川：美しい渓流が流れる場所です。
蔚珍金剛松群落地：樹齢を重ねた金剛松の群生林です。
白岩温泉、德邱温泉：疲れた体を癒す温泉施設です。

施設

ハヌル原子力発電所：韓国の主要な原子力発電所の一つです。
淡水魚展示館：地域の淡水魚を展示しています。
蔚珍飛行場：地域を結ぶ空港です。

姉妹都市

蔚珍郡は、国内外の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

韓国国内

京畿道高陽市（2003年5月6日締結）
ソウル特別[[市]]陽川区（2003年11月3日締結）
ソウル特別[[市]]瑞草区（2007年3月30日締結）

韓国国外

長白朝鮮族自治県（中華人民共和国吉林省）（2007年10月16日締結）

脚注

外部リンク

蔚珍郡庁公式サイト （朝鮮語）
* 蔚珍郡庁公式サイト （日本語）

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