蔵田蔵

蔵田蔵（くらた おさむ）

蔵田蔵（1907年8月8日 - 1974年10月13日）は、日本の美術史学者であり、特に仏教考古学と金工史の研究に尽力しました。

人物・来歴

蔵田蔵は、福岡県企救郡西紫村（現在の北九州市小倉北区）で生まれました。1932年に東京帝国大学文学部美学美術史学科を卒業後、大学院へ進学し、1934年に修了しました。

卒業後は、東京帝室博物館（現在の東京国立博物館）の研究員として、仏教考古学と金工史を専門に研究に取り組みました。1938年には鑑査官補となり、列品課に勤務しました。

1945年には高松宮家の御用掛となりますが、1946年に博物館へ復帰（その後、国立化に伴い東京国立博物館となる）。1955年には工芸課長、1964年には学芸部長を歴任しました。1965年には奈良国立博物館館長に就任し、亡くなるまでその職を務めました。

蔵田蔵は、博物館での活動を通じて、貴重な文化財の保存と研究に貢献しました。また、数多くの著作を通じて、日本の美術に関する知識を広め、後世の研究者や美術愛好家に大きな影響を与えました。

著書

『日本美術大系 第9巻 金工』（前田泰次との共著）講談社、1961年
『秘宝 第9巻　熊野』講談社、1968年
『原色日本の美術 20 染織・漆工・金工』（山辺知行・岡田譲との共著）小学館、1969年
『茶道美術全集 第10　釜』（千宗室監修）求竜堂、1970年
『園城寺 秘宝』（石田茂作・福家俊明共監修）講談社、1971年
『東大寺大仏蓮弁拓本』（監修・解説）求竜堂、1973年
* 『日本の美術 39 (ブック・オブ・ブックス) 金工』（中野政樹との共著）小学館、1974年

これらの著作は、金工、染織、漆工などの分野における貴重な研究成果であり、現在でも美術研究において重要な資料となっています。

蔵田蔵の業績は、日本の美術史研究における重要な礎となっており、その功績は長く記憶されることでしょう。

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