蕭授

蕭授（しょう じゅ）：明代の軍人、少数民族の反乱鎮圧に奔走

蕭授（しょう じゅ、生年不詳 - 1445年）は、明代に活躍した軍人です。本貫は岳州府華容県にありました。1399年、燕王朱棣の挙兵に従い、その軍歴をスタートさせました。この功績により都指揮同知に昇進し、その後も着実に地位を上げていきます。

湖広での活躍

1418年、蕭授は右軍都督僉事に抜擢され、総兵官として湖広に駐屯しました。1420年には、湖広鎮渓千戸の苗族による反乱を鎮圧し、その武勇を示しました。その後、貴州総兵官に転じ、さらに活躍の場を広げます。

貴州での戦い

1426年、鎮遠府邛水長官司で苗族の銀総が反乱を起こすと、蕭授は都指揮の張名を派遣して銀総の軍を撃破し、銀総を討ち取りました。貴州宣慰使司が管轄する地域では、少数民族が各地で反乱を起こしていましたが、蕭授はこれらの反乱鎮圧にも尽力しました。1427年には、昆阻比の寨を攻め破り、王を称する者を含め数百人を討ち取るなど、その武力で諸民族を帰順させました。

水西の反乱とその後

水西の少数民族である阿閉妨宜が反乱を起こした際、蕭授は周辺の寨の首長と協力して阿閉妨宜を討ち取りました。その後も、西堡の少数民族である阿骨らが各地の苗族と結んで反乱を起こすと、蕭授は討捕と説得を繰り返し、多くの反乱軍を帰順させました。1432年には、豊寧の首長である稔悪を捕らえて北京に護送し、処刑しました。また、安隆の首長である岑俊を説得して降伏させるなど、その巧みな戦略と交渉術で多くの反乱を鎮圧しました。

少数民族対策とさらなる戦い

蕭授は、貴州の治古長官司と答意長官司の苗族がたびたび略奪を繰り返していたため、24か所の堡塁を築き、その地に環濠をめぐらせて兵を配置しました。これにより、反乱軍は自由に活動できなくなりました。苗族の首長である呉不爾が反乱を起こすと、蕭授は張名を派遣してこれを撃破しました。反乱軍は湖広に逃げ込み勢力を拡大させましたが、蕭授は貴州・湖広・四川の軍を動員して反乱を鎮圧しました。1434年には都勻の少数民族が反乱を起こしましたが、蕭授は指揮の陳原・顧勇を派遣してこれを鎮圧しました。

晩年と死

1435年、蕭授は都督同知となり、征蛮副将軍の印を佩くことを命じられました。英宗は蕭授の老齢を考慮し、都督僉事の呉亮を補佐につけました。1436年、普定の少数民族である阿遅らが反乱を起こすと、蕭授はこれを撃破しました。広西と湖広の逃亡民が蜂起した際も、蕭授はこれを包囲し、二度の戦いで反乱軍を鎮圧しました。1437年には右都督に昇進し、清浪と靖州の二衛に軍糧の備蓄を増やすよう進言し、これが受け入れられました。1439年には、貴州計砂の苗族が反乱を起こしましたが、蕭授はこれを鎮圧し、その功績により左都督に昇進しました。同年、北京に召還され、老齢のため致仕しましたが、後に再び右府の事務をみるために起用されました。1445年、蕭授は死去し、臨武伯の爵位を追贈され、靖襄と諡されました。

蕭授は、明代初期における少数民族の反乱鎮圧に大きく貢献した軍人として、その名が歴史に刻まれています。

もう一度検索