蕭昭業

蕭昭業の生涯と短い治世

蕭昭業（しょう しょうぎょう）は、南朝斉（南斉）の第3代皇帝であり、以前の皇帝武帝の孫にもあたります。彼は南朝斉における三人の廃帝の一人であり、歴史の中では正式な諡号や廟号を持っていません。彼の死後、王号から鬱林王と称されるようになりました。

皇位継承の背景

蕭昭業は、父である蕭長懋の死去により、皇太孫として即位することになりました。皇太子である父の逝去から間もなく、祖父である武帝も亡くなったため、若干20歳を過ぎた彼は急遽、皇帝の座につくことになりました。若い彼には、悉く意思を反映する力が不足していたため、政治の仕組みを熟知する経験豊かな竟陵王蕭子良や西昌侯蕭鸞（後の明帝）によって支えられながら政務が執行されることとなります。

表の姿、裏の真実

表向きは美しい容姿を持ち、情に厚い人物として周囲の信任を受けていました。武帝や父からも特に厚遇を受け、崇敬される存在でした。しかし、彼の内面的な性格は裏表があり、表では確かな涙を流しながら、実際には父や祖父の病を嘲笑し、酒宴に興じる日々を送っていました。時には、彼らに早く死ぬように呪詛を行うことまでもあったと言われています。

即位後、蕭昭業は特に贈り物を乱発し、奢侈な生活に耽溺しました。その結果、わずか一年のうちに国の財政はほとんど空になり、国庫に大きな損害をもたらしました。さらに、彼の享楽主義は武帝の寵姫や皇后との淫蕩な関係を築くことを助長し、皇帝としての責任を果たさなかったことが一般的に暴君か暗君とされる理由になりました。

政権の実権と終焉

蕭昭業の即位からわずか1年後、蕭子良が死去し、その後に政権の実権は蕭鸞が握ることとなります。蕭鸞は表向きには蕭昭業への忠告を行いながらも、裏ではさらに彼の享楽を助長する役割を果たしました。

そして、蕭昭業は彼の享楽的生活の末に、蕭鸞により暗殺されるという悲劇に見舞われました。その死の様子は、後宮で愛妾とともに過ごしている最中に襲撃されたというものであると言われています。

最期の運命

彼の死後、母である皇太后の手によって皇位を奪われ、鬱林王という称号に転落させられました。蕭昭業の生涯は、若き皇帝としての名声とは裏腹に、浪費と享楽に溺れたあまり、短命で終わる運命を辿りました。彼の物語は南朝斉の歴史において、栄光と失墜を共に抱えた象徴的な事例となっているのです。

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