薗部儀三郎

薗部儀三郎：明治生まれ、日本最高齢の生涯

薗部儀三郎氏（1911年11月6日 - 2024年3月31日）は、日本のスーパーセンテナリアンとして、その長寿を全うしました。2022年11月15日から亡くなるまで、日本国内の男性最高齢者であり、千葉県出身者としては初の日本最高齢記録保持者となりました。

教育者としての足跡

薗部氏は、南房総市立三芳中学校や千葉県立安房水産高等学校（現在の千葉県立館山総合高等学校）で、長年にわたり国語科と社会科の教員として教鞭を執りました。1960年には、御湯殿上日記などの文学に関する書籍を執筆するなど、教育者としてだけでなく、研究者としての側面も持っていました。

定年退職後は、司書として図書館に再就職し、80歳まで勤務しました。教員時代から退職後まで、常に知的な活動を続け、多くの人々に影響を与えました。

生涯現役

100歳の誕生日には、教え子たちが同窓会を開いて薗部氏の長寿を祝いました。110歳を迎えても、教え子たちと年賀状を交換するなど、多くの人々に慕われていました。教育者として、人間としての魅力が、多くの人々を引き付けたのでしょう。

読書は長年の趣味であり、特に政治や健康に関する本を好んで読んでいました。テレビの健康番組も愛し、紹介された健康法を実践するなど、健康への意識も非常に高く、バランスの取れた食事を心がけ、カルシウムを摂取するためにジャガイモや豆類、野菜を積極的に食べました。また、自分の歯を大切にし、入れ歯を使用したことは一度もありませんでした。毎日の体操も欠かさず、健康的な生活習慣を維持していました。

長寿の記録

2019年12月2日に湯本金五氏が109歳で亡くなった後、千葉県内で男性最高齢となりました。2021年9月15日には、千葉県内および安房地方における最高齢者となり、2022年には館山市から敬老祝い金が贈呈されました。この祝い金は、同年10月4日に次女が館山市役所で受け取りました。

2022年11月15日には、中村茂氏の死去に伴い、日本国内の男性最高齢者となりました。1911年生まれの男性としては、日本最後の生存者となり、世界でも上位10位に入る長寿者となりました。薗部氏の年齢は、厚生労働省、Bogdan Solyanikov、山本由美（LongeviQuest日本代表）によって認証され、2023年5月30日にLongeviQuestによって有効と認められました。さらに、厚生労働省、Robert Young、Waclaw Jan Kroczekによる認証を経て、2023年9月19日にはジェロントロジー・リサーチ・グループ（GRG）によっても有効と認定されました。GRGは、薗部氏を日本で明治時代に生まれた最後の男性として認定しました。

2024年4月2日には、ベネズエラのフアン・ビセンテ・ペレス・モラ氏が死去し、薗部氏が生存中の男性世界最高齢者になったとされましたが、その検証作業中に、同年3月31日に112歳で死去していたことが報じられました。薗部氏の死去により、明治時代生まれの日本人男性は全てこの世を去りました。なお、日本国内の男性最高齢は、神奈川県厚木市在住の涌井富三郎氏（1913年11月28日生まれ、110歳）となりました。

薗部儀三郎氏の生涯は、教育者としての貢献、知的な探求心、そして健康的な生活習慣によって支えられた、まさに「生涯現役」を体現したものでした。その長寿と生き方は、多くの人々に感動と希望を与え、後世に語り継がれることでしょう。

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