薬王院 (水戸市)

薬王院

薬王院は、茨城県水戸市元吉田町に位置する天台宗の仏教寺院です。その起源は平安時代初期にまで遡り、桓武天皇の勅願によって伝教大師最澄が創建したと伝えられています。長い歴史の中で、多くの文化財を擁し、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしてきました。

歴史

薬王院の創建は、大同2年（807年）とされており、その歴史は1200年以上に及びます。創建当初から天台宗の寺院として、地域の人々の信仰を集めてきました。室町時代には、本堂が焼失するなどの災禍に見舞われましたが、再建され、江戸時代には水戸藩主徳川光圀による大修理も行われ、現在に至るまでその姿を伝えています。

本堂

本堂は、室町時代の大永7年（1527年）に焼失しましたが、享禄2年（1529年）に再建されました。江戸時代の貞享3年（1686年）には、水戸藩主徳川光圀によって大修理が行われています。この本堂は、昭和41年（1966年）6月11日に国の重要文化財に指定されました。昭和43年（1968年）には解体修理が行われ、創建当時の姿を復元されています。本堂は、桁行7間、梁間5間の規模を持ち、一重、入母屋造、茅葺形銅板葺という特徴的な建築様式を有しています。特に地方的な様式が色濃く反映されており、室町時代の建築文化を知る上で重要な遺構とされています。水戸市内にある本堂として、その存在感は圧倒的です。

仏像

薬王院には、本尊である薬師如来像と、それを守護する十二神将像が安置されています。これらの仏像は、いずれも茨城県の文化財に指定されています。薬師如来は、病気平癒の仏として、古くから多くの人々に信仰されてきました。十二神将は、薬師如来と信仰者を守護する十二の神様です。それぞれの像は、表情豊かで、見る者を魅了します。また、水戸市指定文化財として松平亀千代丸五輪塔があります。

文化財

薬王院は、数多くの文化財を有しています。特に重要なものとしては、以下のものがあります。

重要文化財（国指定）
本堂：室町時代後期の享禄2年（1529年）に建立されたもので、その規模と様式は室町時代の建築文化を伝える貴重な遺構です。
茨城県指定文化財
仁王門：寺院の入り口を守る門で、その建築様式にも注目が集まります。
薬師如来像：本尊であり、病気平癒を願う人々の信仰を集めています。
十二神将像：薬師如来を守護する十二の神様の像です。
水戸市指定文化財
松平亀千代丸五輪塔：水戸藩主の菩提を弔うための五輪塔です。

アクセス

薬王院へのアクセスは、水戸駅南口からバスを利用するのが便利です。2番乗り場から台町方面経由のバスに乗車し、「薬王院前」バス停で下車してください。

近隣施設

薬王院の周辺には、以下の施設があります。

水戸藩御用 神楽屋敷跡
水戸市立千波中学校
清巌寺（西月山東照院清巌寺）
吉田神社

薬王院は、歴史と文化を感じられる場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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