藍島

藍島（あいのしま）

藍島は、福岡県北九州市小倉北区に位置する響灘の小さな島です。筑前諸島地域に属し、離島振興法による離島振興対策が実施されているこの島は、面積が約0.68平方キロメートルで、全島が小倉北区の大字に該当します。郵便番号は802-0091です。

地理

藍島は、小倉北区の中心部から北西約12キロメートル、若松区の響灘埋立地の海岸から北に約5キロメートルの地点に位置します。細長い形状をしており、北北西から南南東へ延びています。島は比較的平坦で、海岸段丘が発達しています。また、約4キロメートル南東には馬島があり、両島の間は渡船を利用して行き来可能です。

現在、島の人口は188人、世帯数は82世帯（令和2年国勢調査）で、主に漁業が中心の地域です。特に鯛やアワビ、ウニ、サザエなどが豊富に水揚げされています。島の北西部には寄瀬浦漁港、南西部には本村漁港、中央部の東側には大泊漁港があります。また、本村漁港と馬島、さらには浅野地区とを結ぶ定期船も運航しています。

藍島は「猫の島」としても知られており、多くの地域猫が住んでいます。夏になると海水浴客が訪れるほか、釣りを楽しむ観光客にも人気があります。動物写真家の岩合光昭氏も、藍島の猫を撮影するために島を訪れることでも知られています。

歴史

藍島の歴史は古く、日本書紀の仲哀紀に「阿閇島」として名前を見つけることができます。また、隣接する無人島の貝島では、6世紀の古墳群が発見されるなど、歴史的な背景が色濃く残っています。1705年から1723年にかけては、響灘での密貿易を防ぐために小倉藩が遠見番所を設置しました。その際に使われた旗柱台は、現在県の指定文化財として保護されています。

施設と学校

藍島にはいくつかの民宿が点在しており、彼らは観光客を歓迎しています。また、北九州市立藍島診療所が医療機関として利用されています。教育機関としては、北九州市立藍島小学校が存在し、中学校はありません。学生は渡船を利用して本土の北九州市立菊陵中学校へ通うか、別途設けられた「ひびき寮」に入寮して城南中学校に通うことが求められます。

交通

藍島へのアクセスは、北九州市渡船事業所による市営渡船が利用されています。小倉渡場から馬島を経由して藍島へ向かうもので、通常1日3往復（夏の土日祝日は4往復、年始は2往復）運行され、片道は約35分かかります。運賃は片道600円で、島内にはバスやタクシーの施設はありません。

文化とイベント

藍島では、藍島遠見番所旗柱台が県指定文化財として観光資源になっています。また毎年8月には藍島盆踊りが行われ、これは市指定の無形民俗文化財に認定されています。

この島は、独特の自然環境と文化を持ち合わせた観光地として、多くの人々に愛されています。歴史的な背景や生活文化、そして豊かな自然環境は、訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。

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