藤井千秋

藤井千秋（ふじい ちあき、1923年 - 1985年5月5日）は、昭和時代に活躍した画家、イラストレーターです。岐阜県に生まれ、美少女を描いた叙情画で広く知られています。

経歴

藤井千秋は1941年に京都絵画専門学校（現在の京都市立芸術大学）に入学。1943年には学徒出陣で入隊しますが、軍隊入隊中に病気を患い入院することになります。入院中に動画の背景を描きながら学校を卒業。終戦後、駐留米軍人の勧めで、京都の一流画商に持ち込んだ少女の絵がすぐに売れたことをきっかけに、出版社から詩集の表紙や挿絵の依頼が舞い込むようになりました。

1947年、新制中学校の絵の教師となりますが、実業之日本社の編集長に少女の絵が認められたため退職。『少女の友』を中心に、『女学生の友』、『小説ジュニア』、『美しい十代』など、当時の少女小説雑誌で清らかな少女絵や挿絵を数多く手掛け、人気を博しました。

1963年からは、二度の背骨の手術を受けたことが原因で神経を痛め、同時に血清肝炎を発症。入退院を繰り返す生活を送ることになります。晩年は、ベッドでの作品制作が中心となりました。

1985年5月5日、京都洛北の地で逝去。享年62歳でした。

作品の特徴

藤井千秋の作品は、繊細で美しい少女の描写が特徴です。その絵は、透明感にあふれ、見る人の心を優しく包み込むような魅力を持っています。当時の少女たちの憧れを体現したような、可憐で上品な絵柄は、多くの人々に愛されました。

主な作品

藤井千秋は、数多くの少女雑誌の挿絵を手掛けたほか、詩集や小説の表紙絵も担当しました。その作品は、単なる挿絵にとどまらず、作品全体の雰囲気を決定づける重要な要素となっていました。

作品集

『夢見る昭和の乙女たち―抒情画家、藤井千秋の世界』 （小学館、2001年）ISBN 978-4096812945
松本育子著『藤井千秋-爽やかに清らかに。エレガントな抒情世界』(らんぷの本) （河出書房新社、2014年）ISBN 978-4309750095

外部リンク

コトバンク・藤井千秋
藤井千秋の世界 (@chakifujii) - X（旧Twitter）

藤井千秋の作品は、昭和の少女文化を象徴する貴重なものであり、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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