藤井義将

藤井義将：玄海の荒法師と呼ばれたプロゴルファー

藤井義将（ふじい よしまさ）は、1929年7月1日に福岡県小郡市で生まれ、2015年2月26日に心不全のため85歳で亡くなった、日本のプロゴルファーです。息子である藤井久隆、孫の藤井千夏もプロゴルファーというゴルフ一家でした。

生涯

12歳からゴルフを始めた藤井は、プロゴルファーであった兄・武人の指導の下、大保GCで腕を磨きました。兵役後、兄の背中を追うように1951年に21歳でプロ入り。福岡カントリー倶楽部和白コースからプロとしてのキャリアをスタートさせました。赤星四郎との出会いは、藤井のゴルフ人生において大きな転機となり、ゴルフの基礎を徹底的に学びました。

1962年、霞ヶ関カントリークラブとトーナメントプロとしての年間契約を締結。これは、ゴルフ場専属ではなく、トーナメントを中心に活動する新しいスタイルを確立した先駆けとなりました。当時のゴルフ場に所属するプロは、会員へのレッスンやコース管理のアドバイスが主な業務でしたが、藤井はトーナメントプロとしてゴルフ場と契約を結び、異例の存在として注目を集めました。競技数が少なく、賞金だけでは生活が難しい時代でしたが、藤井は新たな道を開拓しました。

霞ヶ関CCを拠点に関東で活躍した後、故郷・福岡に新設された玄海ゴルフ倶楽部に移籍。以降は九州を拠点に活動し、広いスタンスから繰り出す豪快で切れ味鋭いショットと、大胆なプレースタイルから「玄海の荒法師」の異名を取りました。1970年には西日本オープンを制覇。1971年には日本オープンで杉本英世とのプレーオフを制し、42歳で悲願のビッグタイトルを獲得しました。

シニア入り後もその勢いは衰えず、日本プロシニアをはじめ数々のタイトルを獲得。レギュラー時代と合わせて23勝を挙げました。特に、日本プロシニア2連覇（1979年、1980年）、関西プロシニア3連覇（1980年 - 1982年）、日本プログランドシニア3勝（1989年、1990年、1992年）、関西プログランドシニア4連覇（1989年 - 1992年）など、シニアツアーでの活躍は目覚ましいものでした。1994年の鳳凰カップスーパーシニアでは、65歳で65というエージシュートを達成しています。

藤井は、後進の育成にも力を注ぎ、上田鉄弘、尾崎将司、秋富由利夫、藤池昇、友利勝良など、多くのプロゴルファーを育てました。尾崎がプロゴルファーを目指すきっかけとなったのも、藤井との出会いでした。

1973年には、麻生太賀吉の要請を受け、麻生飯塚ゴルフ倶楽部のコース設計を担当。ボタ山の跡地利用という難題に対し、ストレートなコース設計で美しい景観へと生まれ変わらせました。

1969年から1975年まで関西プロゴルフ協会理事、1976年から1988年まで関西プロゴルフ協会副会長、1974年から1988年まで日本プロゴルフ協会理事を歴任。1989年には日本プロスポーツ功労賞、2004年には文部科学省スポーツ功労者顕彰を受賞しています。

晩年は九州プロゴルフ研修会相談役を務め、後進の指導に尽力しました。2018年には、金井清一、吉川なよ子と共に第6回日本プロゴルフ殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。

主な優勝記録

1964年 - グランドマンスリー
1966年 - 西日本オープン
1971年 - 日本オープン
1979年 - 日本プロシニア
1980年 - 日本プロシニア、関西プロシニア
1981年 - 関西プロシニア
1982年 - 関西プロシニア
1984年 - 関西プロシニア
1989年 - 日本プログランドシニア、関西プログランドシニア
1990年 - 日本プログランドシニア、関西プログランドシニア
1991年 - 関西プログランドシニア
1992年 - 日本プログランドシニア、関西プログランドシニア

外部リンク

日本プロゴルフ殿堂　藤井義将プロフィール

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