藤原盛兼

藤原盛兼（ふじわら の もりかね）は、鎌倉時代前期に活躍した公卿であり、藤原盛能の子として生まれました。母は藤原季佐の娘です。最終的な官位は正二位・権中納言にまで昇進しました。

経歴

盛兼は、建久9年（1198年）に従五位下に叙せられたことから記録に登場します。その後、順調に昇進を重ね、建保6年（1218年）には左少将に任じられました。翌年の建保7年（1219年）には信濃介を兼任しています。

貞応元年（1222年）には左中将に昇進し、元仁元年（1224年）には蔵人頭に任命されました。嘉禄元年（1225年）には参議となり、従三位に叙せられます。この頃には播磨守も務めていました。

嘉禄2年（1226年）には、宣陽門院の院司となります。嘉禄3年（1227年）には権中納言に任じられ、中宮権大夫を兼任しました。安貞元年（1227年）には、宣陽門院のために六条御所を造進しています。

しかし、天福元年（1233年）には、盛兼の殺害計画が露見するという事件が起こりました。この事件の詳細は不明ですが、当時の政情不安を反映していると考えられます。嘉禎3年（1237年）には正二位に叙せられました。

寛元2年（1244年）に出家し、その後の消息は明らかではありません。

系譜

父：藤原盛能
母：藤原季佐娘
妻：滋野井実宣娘

盛兼は、藤原氏の一族として、鎌倉時代前期の朝廷において一定の地位を占めました。彼の経歴は、当時の公家社会における昇進の過程を示す一例と言えるでしょう。また、殺害計画が露見したという事件は、彼の政治的な立場や人間関係に複雑な側面があったことを示唆しています。

参考文献

安田元久『鎌倉・室町人名事典』（新人物往来社、1990年）

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