藤原縵麻呂

藤原 縵麻呂（ふじわら の かずらまろ）

藤原縵麻呂は奈良時代後期から平安時代初期にかけての日本の貴族であり、藤原式家に属していました。彼は中納言・藤原種継の次男として生まれ、官位には従四位下として知られています。

経歴

延暦4年（785年）、父である藤原種継が暗殺された直後、彼は兄・仲成と共に従五位下に任命されます。翌年の延暦5年（786年）には皇后宮大進という地位に就き、桓武天皇の時代には大判事や地方官も歴任しました。特に、相模介や豊前守、因幡守としての役割が注目されます。また、延暦23年（804年）には正五位下から正五位上に昇進しました。大同3年（808年）には従四位下・右大舎人頭に任命され、美濃守も兼任しました。

弘仁元年（810年）には茶の延命を賭けた薬子の変が起こりますが、彼はこの変で兄弟を失いながらも難を逃れ、翌年の弘仁2年（811年）には大舎人頭に任命されることになります。最終的に、弘仁12年（821年）に54歳でこの世を去りました。

人物像

藤原縵麻呂は、その性格が愚鈍であるとされており、書類作成などの事務能力には欠けていたと言われています。父が大臣だったことから各種官職を経験しましたが、どの役職においても特に顕著な名声を得ることはできず、酒や女性に耽ることが多かったとされます。また、彼の性格についての詳しい記録も残っており、例えば、酒と女性を好んだという記述が『日本後紀』には見られますが、これが保身の一環であるという解釈も存在します。

官歴

藤原縵麻呂の官歴は以下の通りです。

• - 時期不詳：正六位上
• - 延暦4年（785年）11月25日：従五位下
• - 延暦5年（786年）正月28日：皇后宮大進
• - 延暦7年（788年）2月6日：相模介
• - 延暦10年（791年）正月22日：相模守
• - 時期不詳：大判事
• - 延暦16年（797年）2月9日：因幡守
• - 時期不詳：正五位下
• - 延暦23年（804年）正月11日：正五位上
• - 同年正月24日：豊前守
• - 時期不詳：従四位下・右大舎人頭
• - 大同3年（808年）6月25日：美濃守
• - 弘仁2年（811年）5月14日：大舎人頭
• - 時期不詳：越後守
• - 弘仁12年（821年）9月21日：卒去（従四位下）

系譜

藤原縵麻呂の家族についての情報は以下の通りです。

• - 父：藤原種継
• - 母：雁高佐美麻呂の娘
• - 妻：不詳
• - 子：藤原貞成、藤原城成

これらの情報からも、藤原縵麻呂は平安時代初期の政治や文化に多大な影響を与えた貴族の一人であり、彼の名は歴史に残るものとなっています。

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