藤原興親

藤原興親 (ふじわら おきちか)

藤原興親は、戦国時代の武将であり、厳島神主家の当主として知られています。彼は教親の次男として生まれ、兄である宗親が父の教親の実家である長屋氏を相続したことにより、厳島神主の職を引き継ぐこととなりました。

生涯

兄の宗親は明応2年（1493年）3月まで神主を務めていた記録があるため、興親が神主に就任したのはこれ以降のことと考えられています。父である教親は高齢でありながらも永正元年（1504年）12月15日まで存命していました。

上洛

永正5年（1508年）2月、興親は厳島から船で海路を通り上洛しました。これは、大内義興の支援を受けて京都に戻ろうとしていた足利義稙に付き従うためでした。上洛後の7月5日には長安久を大御前棚守職に、7月8日には野坂才菊を舞師にそれぞれ任命していますが、その年の12月8日に京都において病没しました。興親には子供がいなかったため、厳島神主家は後継者不在という危機的な状況に陥りました。

死後

興親が亡くなった際、親族である友田興藤と小方加賀守も京都に滞在していましたが、領国では神領衆が東方と西方の二派に分裂し、激しい抗争が勃発しました。東方は宍戸治部少輔らが桜尾城に立て籠もり、西方では新里若狭守らが藤懸城に立て籠もり、数年にわたる合戦に発展しました。その後、京都から帰還した武田元繁が東方に加勢して神領に侵攻するなど、周辺の様々な勢力が介入し、抗争は永正14年（1517年）頃まで続くこととなりました。

参考文献

廿日市町 編『廿日市町史』《資料編1（古代中世）》廿日市町、1979年。
廿日市町 編『廿日市町史』《通史編上》廿日市町、1988年。

もう一度検索