藤原道継

藤原道継（ふじわら の みちつぐ）

藤原道継は、奈良時代から平安時代初期に活動した日本の貴族で、藤原北家に属していました。彼は著名な貴族である藤原小黒麻呂の次男として生まれ、官職としては従四位下と右京大夫を務めました。その経歴には貴族としての特権やさまざまな役職が含まれていますが、特に彼の官位の変遷が注目されます。

経歴の概要

道継は延暦10年（791年）に従五位下の位に叙され、同年の春には大監物、夏には右大舎人助に任命されました。この時期、彼の昇進は比較的順調でしたが、桓武天皇の治世の後半から平城天皇の時代には、彼の任官記録は見られなくなります。

しかし、嵯峨天皇の時代に入ると、大同5年（810年）、薬子の変の終息後に彼は左兵衛佐に任命され、再び記録に登場します。その後の道継は弘仁2年（811年）には正五位下に昇進し、弘仁4年（813年）には従四位下に昇格しました。さらに弘仁3年（812年）には下野守に、弘仁6年（815年）には大舎人頭と右京大夫といった重要な職を歴任しました。このように彼はその後も数度にわたり官位が上昇し、最終的には散位従四位下として多くの役目を果たしました。

道継は弘仁13年（822年）2月24日に67歳で亡くなりました。

人物像

道継は「才能がある」との評価はあまりなかったものの、一定の武芸には秀でていたと言われています。彼は特に酒と鷹狩りを好み、年を重ねるごとにその愛好は増していったと伝えられています。このような趣味は当時の貴族にとっては一般的なもので、道継が特異な存在であったわけではありませんが、彼の人間性を知るための手がかりとなります。彼の評価や後世への影響を見ると、公式記録には残らない人間性や趣味を通じて、平安時代の貴族社会を垣間見ることができます。

官歴の詳細

道継の官歴は以下の通りです。

• - 時期不詳 : 正六位上
• - 延暦10年（791年） : 従五位下（正月7日）、大監物（3月21日）、右大舎人助（7月4日）
• - 時期不詳 : 従五位上
• - 弘仁元年（810年） : 左兵衛佐（9月27日）
• - 弘仁2年（811年） : 正五位下（6月1日）
• - 弘仁3年（812年） : 下野守（正月12日）
• - 弘仁4年（813年） : 従四位下（正月7日）
• - 弘仁6年（815年） : 大舎人頭（正月14日）、右京大夫（7月13日）

系譜

道継の父は藤原小黒麻呂（733-794年）であり、彼の母については記録が残されていません。生母が不明であるものの、彼には藤原三藤室と名付けられた娘がいます。

参考文献

• - 宇治谷孟『続日本紀 （下）』講談社
• - 森田悌『日本後紀 （中）』講談社

このように藤原道継の経歴や人物像は、日本の平安時代の貴族のあり方を理解する上で重要な要素となっており、彼の足跡は後の世に影響を与えています。

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